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オフィス移転に活用できる3つの補助金・助成金制度

近年、働き方改革の推進やテレワークの普及によって働き方が変わりつつあります。

オフィスをより使いやすく、有意義なものに改善するために、オフィス移転を検討している担当者の方もいるのではないでしょうか。

オフィス移転には、レイアウトの設計費用や新たな設備の購入費用などさまざまな費用が発生します。このような費用の負担を削減するために、国や自治体が運用している補助金・助成金をうまく活用することがおすすめです。

本記事では、オフィス移転に活用できる補助金・助成金制度について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.オフィス移転に役立つ3つの補助金・助成金制度
    1. 1.1.①ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
    2. 1.2.②事業承継・引継ぎ補助金
    3. 1.3.③創業助成金
  2. 2.補助金・助成金を活用する際の注意点
  3. 3.まとめ


オフィス移転に役立つ3つの補助金・助成金制度

補助金・助成金とは、一定の要件を満たす人に対して、国や地方自治体が費用を支給する制度のことです。どちらも財源は公的資金となっており、申請・受給には審査が必要になります。

助成金の場合は要件を満たせば受給できることが一般的です。一方、補助金は、採択件数や金額が決まっているため、必ず受給できるわけではありません。

ここでは、オフィス移転に役立つ3つの補助金・助成金制度を紹介します。


①ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(以下、ものづくり補助金)とは、中小企業・小規模事業者が生産性向上に向けて、新たなサービス開発や生産プロセス改善のために行う設備投資を補助する制度です。

オフィス移転に伴って、現場の生産性向上に貢献する設備導入を行う際に受給できる可能性があります。

ものづくり補助金は、一般型やグローバルビジネス型、ビジネスモデル構築型などに分かれており、それぞれ補助金の上限や補助率などが異なります。

ここでは、一般型の通常枠に関する内容についてまとめています。


▼ものづくり補助金(一般型 通常枠)の概要

対象となる取組み
  • 革新的なサービスの開発
  • 新商品・試作品の開発
  • 生産プロセスの改善 
補助対象となる費用
  • システム構築費(ソフトウェア、情報システム、デジタル複合機等の購入費)
  • 本事業遂行のために依頼した専門家に支払う経費
  • クラウドサービスの利用費
  • 外注費(新製品・サービス開発に必要な業務を外注した場合の経費)
  • 本事業に必要な機械器具等のリース・レンタル費用 など
補助金額
一般型(通常枠):750万~1,250万円
補助率
  • 中小企業:1/2
  • 小規模事業者:2/3
補助要件

以下の要件を満たす事業計画(3~5年)を策定・実施する中小企業

  • 付加価値額:+3%以上/年
  • 給与支給総額:+1.5%以上/年
  • 事業場内最低賃金:地域別最低賃金+30円

※2022年6月時点

出典:全国中小企業団体中央会『令和元年度補正・令和三年度補正 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(11次締切分)』『令和元年度・令和三年度補正予算事業 ものづくり・商業・サービス補助金 公募要領 概要版 11次締切分』/経済産業省 中小企業庁 ミラサポplus『ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金


②事業承継・引継ぎ補助金

“事業承継・引継ぎ補助金”とは、事業再編や事業統合、事業承継を機に、経営革新を行う事業者に対して経費の一部を補助する制度です。

事業転換や経営革新に伴ってオフィス移転が必要となる場合に、受給できる可能性があります。

事業承継・引継ぎ補助金の対象事業は以下の3つに分かれています。

  1. 経営革新事業:事業継承やM&Aによって事業再構築や販路開拓、設備投資を行う
  2. 専門家活用事業:M&Aによって経営資源を引継ぐ際に専門家を活用する
  3. 廃業・再チャレンジ事業:新規事業に向けて再チャレンジするために廃業する


▼事業承継・引継ぎ補助金の概要

対象となる費用

▽経営革新事業

  • 設備投資費
  • 人件費
  • 店舗や事務所の改築工事費 など

▽専門家活用事業

  • M&Aの仲介会社に支払う費用
  • デューデリジェンスにかかる費用 など

▽廃業・再チャレンジ事業

  • 廃業支援費
  • 在庫廃棄費
  • 解体費 など
補助金額
  • 経営革新事業:600万円
  • 専門家活用事業:600万円
  • 廃業・再チャレンジ事業:150万円
補助率
  • 経営革新事業:2/3(補助金額の400万~600万円の部分は1/2)
  • 専門家活用事業:2/3
  • 廃業・再チャレンジ事業:2/3

出典:中小企業庁『令和3年度補正予算「事業承継・引継ぎ補助金」の公募を開始しました』/事業承継・引継ぎ補助金『Webサイト


③創業助成金

“創業助成金”とは、創業時または創業して間もない中小企業に対して、創業初期に必要な経費の一部を助成する制度のことです。

各自治体によって制度の有無や制度概要が異なるため、都道府県のホームページで確認する必要があります。

なお、東京都の創業助成金については、都内での創業を予定している方や創業5年未満の中小企業等が対象となっています。


▼創業助成金の概要(東京都)

助成対象となる費用

人件費、賃借料、広告費などの創業初期の経費

補助金額
100万~300万円
補助率
2/3以内

出典:独立行政法人 中小企業基盤整備機構 J-Net21『創業者向け補助金・給付金(都道府県別)』/世田谷区『世田谷区の創業支援等事業について



補助金・助成金を活用する際の注意点

補助金・助成金の制度によっては、法人税や所得税の課税対象になる場合があります。事前に税金の取扱いや計上時期について確認しておきます。

利用する制度によっては補助金が後払いになることもあるため、対象の事業や取組みに対しては、一時的な支出が発生します。受給を前提として資金計画を立てると、受給ができなかった場合に投資費用の負担が増えてしまうため、注意が必要です。

さらに、事業期間が終了したあとは、一定期間内に報告書や証憑(しょうひょう)書類の提出が求められます。このような事後処理を適切に行わない、また会計検査によって正当な目的で費用支出していないことが発覚すれば、支払いを拒否されることもあります。

補助金・助成金をスムーズに受給するためには、税金や受給タイミングを把握したうえで、適切な資金計画を立てること、事後処理について把握しておくことが重要です。



まとめ

この記事では、オフィス移転に利用できる補助金・助成金について、以下の項目で解説しました。

  • オフィス移転に役立つ3つの補助金・助成金制度
  • 補助金・助成金を活用する際の注意点

オフィスを移転する際は、レイアウトの設計費用や新たな設備の購入費用、引越し費用などのさまざまな費用が発生します。

費用負担を軽減するには、国や地方自治体が行っている補助金・助成金制度を活用できます。自社が受給対象となるかどうか、事業内容や要件を確認してみてはいかがでしょうか。

また、補助金・助成金制度を利用する際は、課税上の取扱いや受給タイミング、必要な事後処理についても確認したうえで申請することが重要です。

なお、オフィス移転の流れや手続きについては、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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