Workplaces

JX石油開発株式会社 様

 働く場所の選択肢を増やし、
より自由に快適に仕事ができる環境を実現

左から/JX石油開発総務部の石垣武さん、髙田岳人さん


 JX石油開発様は、石油や天然ガス、そのほかの鉱物資源の探鉱や開発、それらの副産物を含めた採取、加工、貯蔵、売買、輸送を行っている会社です。東京・大手町にある本社オフィスには300名弱が勤務しています。

 オフィスでの業務はデスクワークがメインであるという特性上、コロナ禍以前から働く空間や時間を選べる働き方改革を推進。より効率的な就業環境の構築を目指してきました。そうした最中、コロナ禍が発生し、オフィスの在籍率は30%程度まで低下。個々の業務や外部とのやり取りに大きな不自由はないものの、新たな課題が浮かび上がりました。

 今回のオフィスリニューアルでは、新たな課題の解決に加えて、より快適で働きやすい環境づくりを実現。いったいどのような取り組みだったのでしょうか? リニューアルプロジェクトを担当したJX石油開発 総務部の髙田岳人さんと石垣武さんにその全貌を伺いました。

コロナ禍での新たな課題

リモートワークを拡大する中、コミュニケーションが不足し、
チーム力を高める機会が減少した

課題の解決方法

  1.   2フロアに分かれていたオフィスを1フロアにまとめた
  2.   コミュニケーションをとりやすいレイアウトや工夫を取り入れた
  3.   会社に来たくなるように、働きやすい快適な環境を整えた

得られた効果

就業環境改善とともに、異なる部署同士の距離感が近くなったことにより、
コミュニケーションが活性化し、業務効率向上に寄与し始めた

JX石油開発様が語る、オフィスリニューアルの全貌


 私たちJX石油開発は、世界各地の産油・産ガス国で石油・天然ガス開発プロジェクトを推進している会社です。社会インフラの一端を担っているという使命や自覚をもって働く私たちにとってオフィスで重要なことは、円滑なコミュニケーションやチーム力の底上げにより業務の効率化を図り成果の達成速度を上げること。そして、ここで働くということにやりがいを感じられることです。

 本社オフィスでの業務は主にデスクワークとなりますので、必要以上に働く空間や時間に縛られることがありません。コロナ禍になったこともあり、オフィスのリニューアルプランはテレワークやシェアオフィスの導入と並行して進行しました。テレワークやシェアオフィスを導入した結果、コロナ禍前90%あった出社率が30%程度に低下し、それによって新たな課題も出てきました。

 まずはコミュニケーションの希薄化への懸念。従業員が出社したりしなかったりでは、社内での意思疎通がしにくくなり、他者の意見や知見を得る機会が少なくなることで、チーム力の底上げに繋がりづらくなるのではと感じていました。そして、それに伴う作業の速度感の減退。テレワークではどうしても仕事の速度感が鈍くなりがちです。一方で、出社する従業員が少なくなったにもかかわらず、2つのフロアを借りたままだったため、コスト面での無駄も生じオフィス面積の適正化も課題となりました。

 今回のリニューアルは、従業員が一旦遠ざかった本社オフィスを、本来の自由闊達な意見交換や新しいビジネスの創出、より良い人間関係の構築を促すような就業空間として生まれ変わらせることを目指したものです。そのため働き方の選択肢を増やしつつも、いかに魅力あるオフィスを作り、従業員を出社回帰させるかを意識しました。



解決策1:出社人数に対するオフィス面積の適正化

スペースのスリム化を前提に、リニューアルがスタート

 リニューアルの主軸となったのは、オフィスの縮小と十分な執務スペースの確保という相反する条件を克服することです。以前はビルの20階と21階の半分、つまり1.5フロアを借りていましたが、20階の1フロアに集約することを決断。執務エリアを実質3割減らすことで、コスト削減に加えて、余計なものを削り取ってスリムなオフィスになることを目指しました。そのような中でも本社勤務者が全員出社しても、縮小されたスペースの中で働く場所を確保することがミッションとなりました。
働く場所の選択肢は増やしながらも、センターオフィスは従業員を繋げる大切な場として生まれ変わらせる必要があった



解決策2:意見交換や自由な会話がしやすい場をつくる

Point-1 場所を選ばずに働ける 〜フリーアドレス化〜

リニューアル後の執務スペース。キャビネットを60%減らしたことで、通路の広いゆったりとした空間に。


 最も大きな変化は固定デスク制からフリーアドレス制への移行です。デスクの数を40%削減するとともに個人の袖ワゴンを廃止し、代わりにモバイルロッカーを設置しました。席はどこに座っても自由。それまでの固定席の場合、人によっては机上の書類の山が常態化していましたが、フリーアドレス制によってそれが一掃されました。
 デスクにはPCや携帯電話機用の充電ケーブルを常備させ、通勤時にケーブルを持ち歩く必要を無くしました。また、キャビネットに収容していた書類の保管方法を見直し、全社で書類の電子化を進めました。
 それによってテレワークなどで社外にいても必要な書類をすぐに閲覧できるようになっただけでなく、 紙の書類を減らしたことでキャビネットを60%削減し、その分、執務スペースを確保することにも成功しました。


リニューアル前の執務デスク
各自固定席で資料を保管していたため、席上に書類が山積み状態になっているなど、決して効率的とは言えず、また見た目的にも衛生的にも良いとは言えない状況だった。
全従業員に割り当てたモバイルロッカー。
リニューアル前にサンプルのロッカーを用意し、実際に持ち物を収納してサイズを確認してもらうことで、個人のワゴン収納がなくなることへの不安を解消した。
 
 リニューアル後は、背の高い什器を排除することで見渡しがよくなっただけでなく、室内に光が回りやすくなり、全体的に明るい雰囲気になりました。フリーアドレス化により、その日の仕事に合わせて、業務上の接点がある従業員同士が近くに座ることにより、その交流も活発になりつつあります。また、業務が終わったら机の上を拭くことを習慣にすることで、デスク周りが常に清潔な状態に保たれるようになりました。

Point-2 スピーディーにミーティングが行える

オフィスの各所に設置したモニター付きタッチダウン席


 オフィスを1フロアに集約しましたが、会議室の数を減らさずに、かつ、モニター付きの打ち合わせデスクを増やしました。 会議室と違って予約の必要がなく、気軽に思い立ったら話し合い、終わったらすぐに解散できるタッチダウン席です。以前よりも気軽に集まって話ができると好評です。
打ち合わせデスクはスタイルも様々。立ち話のような形で話せるデスクも。
従業員と同じ執務エリアに役員席を設置(写真右)
リニューアル後は役員室(常務室)を廃止し、 役員も従業員と同じ執務エリアへ移動しました。これによって役員と従業員が話す頻度が増え、横だけではなく、縦の交流も活性化し、意思決定の速度も向上しています。  




Point-3 人が集まりやすい場所、自然と集まる場所を設置


 従業員同士の偶発的なコミュニケーションを創出するため、オープンスペースを数カ所に設置しました。社内3カ所にコーヒーマシンを設置し、コーヒーの銘柄を変えることで、従業員がその時に飲みたいコーヒーのために社内を移動する仕組みを作りました。その結果、違う部署の従業員との交流が生まれやすくなり、新たな知見を得る機会を生み出し始めています。



ステーショナリー・ステーションで
業務を効率化

複合機、シュレッダー、事務用品、ゴミ集積所を一箇所に集約したマグネットエリア。


全ての郵便・宅配・クエリ―関連を
一箇所に集約したメールステーションを設置
より効率よく郵便物や宅配物の発送や受け取りを行えるようになった。その隣には、同じ部員のみが開閉できる部署別モバイルロッカーを配置。

解決策3:オフィスに魅力を持たせる
〜居心地の良い空間を追求〜

 皇居周辺の自然を含めた借景に心が和むラウンジスペース

以前は会議室として使用していた部屋を都心の眺望も楽しめるラウンジスペースに改造。国産材を使用した高級家具を設置しました。コーヒーマシンやアロマ・ディフューザーを置き、仕事だけではなく、雑談や休息の場としても活用してもらっています。ラウンジスペースは夜景もすばらしく、従業員の人気スポットになっています。

あちこちで目に入るグリーンも、重要な役割を担っている
自分の机の上に移動できる卓上観葉植物
心の和むBGMや香りを取り入れるなど、癒しと触れ合いの空間を創出しています。





新生オフィスは従業員同士の距離が縮まり、仕事が捗ると好評


 リニューアル後は、オフィスというハードに対して、繰り返し調整・カイゼンしたソフト面を紹介するオフィス機能説明書「Office Compass」を社内展開し、更なる業務効率を目指して取り組んでおります。おかげさまでようやく自分たちのオフィスとして馴染んできたように思います。

 役員と従業員や従業員同士の距離感が物理的にも心理的にもかなり縮まったように思いますし、従業員からはBGMやドリンク・サービスなども含めた環境改善効果もあって、仕事が捗る、出社が楽しくなったとの声が多く寄せられております。

お客様の意見を尊重した提案

 今回のリニューアルは、当社にとって大きな挑戦でしたが、文祥堂様の栗原さんに先頭に立ってサポートしていただいたおかげで、円滑にプロジェクトを完了することができました。
 栗原さんは常に我々のこと意見を第一に考えてくださり、なにをするにもまずは「当社がどうしたいのか?」と聞いていただけましたし、こちらの方針をお伝えするとそれを尊重してくださったので、常に一体感を持って取り進めることができました。
 また、文祥堂様から提案していただいた什器やオフィス家具の配置に対して、我々が動線などを考慮して繰り返し何度も修正を相談させていただいたこともありました。それに対しても栗原さんがメリット、デメリットを率直に話してくださったおかげで、最も良い形で進めることができたと思います。
 振り返ってみて最も大変だったことは、今回のプロジェクトが新しいビルやフロアに移転するのではなく、日々の業務をこなしながら使用している執務室を改装するという時間的、物理的な制約の中でリニューアルを遂行することだったと思います。
  そうした難作業を行うにあたり、文祥堂様にきめ細やかな作業手順書を作成していただき、なにをどういう形で箱に詰めて、どこに置くのか? キャビネットの鍵のリスト化など、事前に周到な準備や確認ができたおかげで、業務に支障をきたすことなく、遅延もトラブルもなく工事を終えることができました。そして、思い描いた通りの、まさに理想の状態でグランドオープンを迎えられたことは大きな喜びです。

親身かつ的確なアドバイスや提案によって
満足度の高いオフィスが完成

左が今回のリニューアルプロジェクトの陣頭指揮をとった文祥堂 オフィス環境事業部の栗原伸也

 レイアウトの作成から完成まで5ヶ月間という短期間でやり遂げた今回のプロジェクト。これはJX石油開発様が、実現したいオフィスに対して確固たる信念を持っていたからこそ。そこに文祥堂がこれまで積み上げてきたオフィスリニューアルのノウハウが合致することで、JX石油開発様にとっての理想のオフィスの実現をサポートすることができました。


概 要


業 種:石油、天然ガス、そのほかの鉱物資源の探鉱および開発、鉱物資源及びそれらの副産物の採取、加工、貯蔵、売買および輸送

拠点名:本社

人数規模:約300名(2,621.95㎡/約793.14坪) ※減床前:(3409.73㎡/約1031.44坪)

竣工時期:2021年10月

ビル情報:東京都千代田区大手町1-1-2 大手門タワーENEOSビル


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