Workplaces

環境省 水・大気環境局 様

目指したのは、多様化するプロジェクトに合わせて柔軟に働ける環境作り



 ミッションは、美しい地球を現役世代のみならず、未来の世代まで残すこと。そのために空、海、水、土壌に関する国内外の環境問題を解消すべく、日々業務を行っているのが環境省 水・大気環境局です。

 近年は地球温暖化やプラスチックゴミによる海洋汚染など、新たな環境問題が次々と表面化。業務の範囲も拡大しているのが現状です。それに対して、有識者や関連企業の担当者とともに対策を考え、周知、実行していくのが、水・大気環境局のおもな仕事となっています。オフィスでできる業務もあれば、世界中の国や地域と連携して取り組むような国内外を行き来する業務もあり、また、ひとりが複数のプロジェクトを掛け持ちすることも珍しくありません。そのため、日々柔軟な働き方が求められています。

 今回のオフィスリニューアルでは、増加する業務への対応やテレワーク、ウェブ会議など新たな仕事の仕方などを踏まえて、さまざまな改革を行いました。いったいどのようなものだったのでしょうか? 同省同局総務課 課長補佐の井上昇様に詳細を伺いました。

環境省 水・大気環境局 井上様が語る、オフィスリニューアルへの課題

環境省 水・大気環境局 総務課 課長補佐 井上昇様

  我々、環境省 水・大気環境局の役割は、端的には文字通り水や大気をキレイに保つこととなります。水質汚濁や騒音、大気汚染などが環境基準を超えないように監視を行うなど、環境省でも”老舗”の部署として、これまでさまざまな取り組みを行ってきました。近年は地球温暖化をはじめ、前例のない科学的な根拠やメカニズムも解明されていないような新たな環境問題が次々と発生し、それに対応するための新しいミッションも増加の一途を辿っています。  増える業務量に比例して、職員の数を増やせるわけではありません。ひとりの職員が複数のプロジェクトチームに携わるケースも増えています。そのため、チームごとに集まって仕事をする必要がある場合に、固定のデスクでは、部署が離れていると別途会議室を確保する必要があるなど課題が生じていました。

 加えて、水・大気環境局内の打合せスペースも数が少なく、また、環境省内でも使用できる大きな会議室は3つしかありません。ただでさえ足りない状況の中でコロナが発生。3部屋のうち2部屋を外部のコロナ対応のための特設の執務スペースとして貸し出すことになり、省全体で1つの会議室しか使うことができなくなってしまいました。省内にはほかにも小さな会議室がありますが、業務の拡大によってプロジェクトごとの専門部署のような形で一定期間にわたって貸し出すこともあり、こちらも思うように使用することができません。そんな事情もあって、会議室や打合せスペースなど、複数人で議論ができるスペースの増設は急務の課題となっていました。

 

  さらに壁面と中廊下を形成する場所に背の高い書棚があり、それが光を遮っていたため、日常的に通る場所でありながら、暗くて雰囲気がよくありませんでした。そのため、より明るく気持ちよく働ける環境作りも課題のひとつでした。 今回のオフィスリニューアルは、ひとりひとりの業務が増え、多様化する中、より臨機応変に働ける職場環境を目指して行ったものです。テレワークやウェブ会議なども踏まえて、新たな働き方を推進するためのオフィスを実現すべく、さまざまな変革を行いました。

課題解決のポイント

Point-1

プロジェクトに合わせて席を選べる、フリーアドレス制

Point-2

打ち合わせスペースを増設し、目的別の使い分けを実現

Point-3

書棚を5割に削減し、オフィス内の雰囲気も明るく変化

Point-4

意思決定の迅速化を目指し、管理職席を廃止

多様な業務に効率的に対応すべく、オフィスをリニューアル

Point-1

プロジェクトに合わせて席を選べる、フリーアドレス制

 近年はプロジェクトごとに複数のチームで仕事をする働き方が多くなっています。本来であれば、スケジュールに合わせて、その都度チームごとに集まって仕事ができると効率が良いのですが、固定デスクが足枷となり、思うように集まれないことが課題となっていました。



 そこでオフィスリニューアルを機にフリーアドレス制を導入。業務に応じて座席を自由に選択できるようにしました。ただし、例えば、管理部門の職員は相談を受ける立場なので、日によって居場所が変わると不都合があるなどの問題も出てきました。そこで「フリー」アドレスなのだから、固定席を選ぶ自由(フリー)もあるとおおらかに捉え、業務の特性に合わせて固定席で運用することも認めています。
 また、テレワークの導入で出勤人数が全体の5割から8割ほどになっていることもあり、フリーアドレス制以降は執務机を従来の8割まで削減。その分、全体のスペースに余裕が生まれ、よりゆとりをもって仕事ができるようになりました。




 水・大気環境局のオフィスには環境省の職員以外にも、他省庁や自治体、企業など多くの出向者が集まってともに業務を行っています。出向期間は概ね2年間ですが、固定デスクの場合、ほかの部署の人たちとコミュニケーションをとる機会が少なく、淡々とミッションをこなして出向元に戻られることがほとんどでした。これがフリーアドレス化によって、近くの席に座った人とのコミュニケーションなどを通じて人脈を築いてもらえたら、お互いにさまざまな知見を得られ、より有益な2年間になると思いますし、出向元に戻られてからも続く縁が作れるのではと考えます。今後はそのような交流も期待しています。







リニューアル前
固定席での執務風景




Point-2

打ち合わせスペースを増設し、目的別の使い分けを実現


 リニューアル後は、5か所だった打ち合わせスペースを10か所に増設しました。その際、ただ増やすのではなく、柔軟な働き方に対応できるよう、さまざまなスタイルのスペースを用意しました。
 例えば、窓際のファミレスシートや、立った状態で気軽に打ち合わせができるスペースなどです。すべての打ち合わせスペースにはモニターと座席分の有線LANを配備。紙の資料では目線が手元にいきがちですが、モニター画面を見てもらうことで目線があがり、議論が闊達になる効果を狙っています。またペーパーレスを推進する目的もあります。

 例えば、リニューアル前は、外部の方とウェブ会議を行う場合、思うように静かなスペースが確保できないため、自席から参加していましたが、周囲の雑音(笑い声など)が相手に聞こえてしまうといったことがありました。リニューアル後は、防音タイプのボックス型のスペースや執務スペースから距離を置いた場所に打合せスペースを用意し、国会対応や大事な会議の時には静かな環境でやりとりが行えるようにしました。リニューアル前は重要なウェブ会議がある日は、静かな環境を求めてテレワークで自宅から会議に参加をする職員も多かったため、それがオフィスでもできるようになったことで、働き方の選択肢が増えたと感じます。


多彩に用意された打ち合わせスペース

 
モニターを多数設置して、ペーパーレス会議を促進


大切な打ち合わせは防音環境で

Point-3

書棚を5割に削減し、オフィス内の雰囲気も明るく変化



収納什器を削減、高さを抑えた収納に変更し、見通しの良い明るいオフィスに
 書棚によって光が遮られて常時暗かった中廊下を、明るい雰囲気にすることも課題のひとつでした。そこで書棚を5割削減する目標を掲げて、書類の断捨離を行いました。
 最初は「絶対無理です」という声も多かったのですが、例えば、10年以上前の同じ内容の報告書が複数冊保管されていたら、それを1冊だけにしたり、記録メディアに保存されている場合は紙資料を処分するなどして書類の削減を進めました。片手間ではできませんし、ひとりで作業すると書類の処分の善し悪しの判断がつきにくいため、自分の係では、週に2時間、一斉に断捨離する時間を3回程度とるなど、工夫をしながら目標を達成しました。
 その際、書類のデータ化を行う選択よりは、捨てるものと、近場に保管するもの、外部倉庫に保管するものの3つを優先的に選択してもらって、書類の整理を行っていきました。この結果、中廊下からの見通しもよくなり、オフィス全体が明るい雰囲気になりました。



リニューアル前

Point-4

意思決定の迅速化を目指し、管理職席を廃止



  固定の管理職席を一部を除き廃止し、ほかの職員と同じくフリーアドレス制となりました。実は先行して行っていた地球環境局の様子を見に行くと、管理職をみんなで囲んで座り、意見交換を活発にしていたんです。たまたまその方がフレンドリーな方だったということもありますが、理想的な姿だと思い、水・大気環境局でも導入に踏み切りました。
 通常はなんらかの意見を管理職に諮る場合、例えば、係員からはじまって複数の役職の許可を経て、ようやく管理職に意見を諮ることができるという一連の流れがあります。これが、管理職が近くにいれば、最初の方針検討から「この進め方で良いですか?」と意見を伺ったり、議論をすることができます。作業する側も最初に確認することでビジョンを明確にした上で、業務や作業、資料作りを行うことができるため、効率があがります。そのため管理職にはよりきめ細やかに業務に関与してもらえることを期待しています。



リニューアル前

働く時間や空間を、これまで以上に有意義なものに



  実は水・大気環境局のオフィスは、課題はあれど、もともとパーソナルスペースがそれなりに確保されていたこともあり、リニューアル前に行ったアンケートにおいて満足度が高かったんです。だからこそリニューアル後は業務の効率化はもちろんですが、それに加えてより活き活きと働けるような環境にし、さらなる満足感を得てもらいたいと思っています。例えば、フリーアドレス制によって座る場所を変えながら、毎日違う顔に囲まれて仕事を行う。それがこのオフィスで働くひとりひとりにとって刺激になり、これまで以上に業務に面白みや喜びを感じたり、業務を超えた仲間が増えるなど、数多くのプラスを生み出してくれたら、私も嬉しいです。
実際リニューアル後は、近くに座った人同士が「はじめまして」と言いながらコミュニケーションを始めて、盛り上がっている姿も見られます。そんな光景を目にするたびにオフィスのリニューアルを行ってよかったと実感しています。


概 要


人数規模:約200名(約1,030㎡:約312坪)

竣工時期:2022年2月

ビル情報:東京都千代田区霞が関1-2-2  中央合同庁舎第5号館 25,26F


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