ペーパーレス化を不便に感じる原因とスムーズに進める3つのポイント
近年、国のテレワーク推進や環境保護の観点から、さまざまな業界でペーパーレス化が進んでいます。
一方、「業務が不便になるのでは?」「セキュリティ面が不安」などの懸念から、紙媒体をベースとした業務や習慣が残っている職場も少なくありません。
業務をデジタル化することによって生じる“不便さ”が、オフィスのペーパーレス化を妨げる要因の一つになっていると考えられます。
今回は、ペーパーレス化を不便に感じやすい原因と、スムーズに進めるポイントについて解説します。
目次[非表示]
- 1.ペーパーレスに不便を感じる原因
- 1.1.業務フローの変化に対する抵抗
- 1.2.ITリテラシーの低さ
- 1.3.ITインフラの整備不足
- 2.ペーパーレス化をスムーズに進めるポイント
- 2.1.①研修や勉強会の実施
- 2.2.②運用ルールのマニュアル化
- 2.3.③段階的な導入
- 3.まとめ
ペーパーレスに不便を感じる原因
紙媒体の資料をデジタル化すると、従来の業務方法・フローが変わるため、さまざまな点においてワーカーが不便に感じることがあります。
ペーパーレスの不便な点として、以下が挙げられます。
- 直接メモや押印ができない
- ITリテラシーの低いワーカーにとっては操作が複雑になりやすい
- 通信環境に影響されやすい
このような不便さを感じる原因には、業務フローの変化に対する抵抗やITリテラシーの不足、ITインフラの整備不足が考えられます。
業務フローの変化に対する抵抗
ペーパーレス化に伴い、これまでの業務フローが変わることに対して抵抗を覚えて、現場でペーパーレス反対の声が生まれることもあります。
たとえば、業務フローを変える場合、新たな知識・手順などの習得が必要です。その際に懸念されるのが、なかなか積極的に取り組めないワーカーや、今まで行っていた業務を否定されたように感じてしまうワーカーが出てくることです。
業務フローの変化に対する抵抗は、ペーパーレス化のメリットや目的が正しく理解されていないこと、不便な点にばかりに目が行きやすいことが原因となっていることもあります。
ITリテラシーの低さ
ITリテラシーが低いと、IT機器やツールの操作が難しくなるため、不便を感じやすくなります。
特に、普段からパソコンやスマートフォンなどに慣れていないワーカーは、ITリテラシーが低いと考えられます。
IT機器やツールを導入しても、結果的に活用されない、効率的に利用できていないとなると、ペーパーレス化の効果を得られなくなる可能性があります。
ITインフラの整備不足
ITインフラが十分に整備されていないことも、不便に感じる原因の一つです。使用するパソコンやタブレットが古かったり、ストレージの容量が足りなかったりすると、スムーズにデータを送受信したり、確認したりできないことがあります。
ペーパーレス化を実施する際は、以下のようなITインフラ整備が必要です。
▼ペーパーレス化に必要なITインフラ
- 安定的かつスムーズな通信ができるネットワーク
- パソコンやタブレットなどのデバイス
- ペーパーレス化したデータを保管・管理するITシステム
これらのITインフラ環境を適切に整備できていない場合、ペーパーレス化しても業務に支障が出てしまう可能性があります。
ペーパーレス化をスムーズに進めるポイント
ペーパーレス化を推進するためには、必要な通信環境の整備はもちろんのこと、ITリテラシーの向上や運用ルールの設定、段階的な導入が必要です。
ここからは、ペーパーレス化をスムーズに進める3つのポイントについて解説します。
①研修や勉強会の実施
ペーパーレス化の必要性や、新しい業務フローを理解してもらうために、社内で研修・勉強会を実施することが有効です。
紙媒体の管理に関する課題やペーパーレス化の目的・メリットを伝えながら必要性を理解してもらうことで、ペーパーレス化に対する意識を高めて積極的な運用を促せます。
また、ITリテラシーが低いワーカーに対しては、IT機器・システムの使い方や業務フローの勉強会を実施することもポイントです。
②運用ルールのマニュアル化
ペーパーレス化によって現場に混乱が生じないようにするには、運用ルールを設定し、マニュアル化することも重要です。
以下のようなルールを明確化し、マニュアルを作成することで、ITリテラシーの低いワーカーに対して新しい業務フローの習得を促せます。また、統一したルールに沿って対応することで、業務を標準化できます。
▼ルールを設定する項目
- ペーパーレス化する書類・資料
- データの保存方法、ラベルの付け方
- セキュリティ管理の方法(パスワード、アクセス制限など)
- システムの利用方法(基本的な操作、業務内容ごとの使い方)
- 業務フロー(電子化の方法、承認や押印の方法など)
③段階的な導入
新しい業務フローに早く慣れてもらうためは、部署・業務などを絞って段階的にペーパーレス化を進めることも一つの方法です。
紙媒体の管理にかかる負担が大きい部署・業務からペーパーレス化を進めることで、徐々に新しい業務フローに慣れてもらえるようになります。また、不明点や問題点を解消しながら、少しずつ移行することで「ペーパーレス化のために導入したIT機器やシステムが使用されない」といった失敗も防げます。
ペーパーレス化は、仕事の効率化や環境保全などのさまざまな効果が期待できる取組みです。ただし、十分な準備なく一度に業務フローを変えてしまうと、現場に混乱を招いてしまいます。
ペーパーレス化を成功させるには、勉強会の実施やマニュアル作成を行い、段階的に進めていくことがポイントです。
まとめ
この記事では、オフィスのペーパーレス化について以下の内容を解説しました。
- ペーパーレスに不便を感じる原因
- ペーパーレス化をスムーズに進めるポイント
ペーパーレス化を実施することで、従来の仕事の進め方やフローが変わるため、不便に感じるワーカーが出てくる可能性があります。また、ペーパーレス化を不便に感じる原因には、ITリテラシーの不足やITインフラの整備不足なども考えられます。
一方、オフィス業務のペーパーレス化は、仕事の効率アップや環境保全の観点から考えても必要であり、積極的に取り入れることが望まれます。
ペーパーレス化をスムーズに進めるには、研修・勉強会を実施する、運用ルールを定めるなどして現場の理解を深めつつ、段階的に導入することがポイントです。
今回紹介したポイントを参考に、オフィスのペーパーレス化に取り組んでみてはいかがでしょうか。
なお、ペーパーレス化のメリット・デメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。