クラウド化とは? クラウドサービス活用のメリット・デメリット
働き方改革の影響により、多様な働き方を取り入れ、生産性の向上を図る企業は多いのではないでしょうか。テレワークをはじめとした多様な働き方を実現するうえでは、ワーカー同士が円滑に情報共有を行える環境の整備が欠かせません。
しかし、「社内でしか業務システムを利用できない」「デバイスに制約があり、情報共有や業務プロセスが複雑化している」といった課題に直面することも考えられます。
自宅や外出先、サテライトオフィスからでも滞りなく業務を遂行し、さらに、業務プロセスの改善や効率化を目指すには、社内の“クラウド化”がカギです。今回は、多様な働き方の実現や生産性の向上に貢献する企業のクラウド化について、基礎知識やメリット・デメリットを解説します。
目次[非表示]
- 1.クラウド化とは
- 2.クラウドの種類
- 3.社内のITインフラをクラウド化するメリット・デメリット
- 3.1.メリット
- 3.1.1.①コストを抑えられる
- 3.1.2.②運用負荷を低減できる
- 3.1.3.③場所やデバイスを問わずに業務できる
- 3.1.4.④災害やシステム障害に強い
- 3.2.デメリット
- 3.2.1.①カスタマイズの自由度が低い
- 3.2.2.②セキュリティリスクがある
- 3.2.3.③利用環境が提供事業者に依存する
- 4.クラウド化できるシステムや業務
- 4.1.社内サーバのクラウド化
- 4.2.基幹システムのクラウド化
- 4.3.書類のクラウド管理
- 5.まとめ
クラウド化とは
クラウド化とは、物理的なサーバやハードウェア、ソフトウェアなどのITインフラをインターネット上のサーバに移行することです。
従来は、企業のネットワーク環境を構築する際、社内で物理的なサーバの構築が必要でした。サービスを利用する際はハードウェアを購入する、ソフトウェアをインストールするといった対応も求められていました。
これらのITインフラをクラウド化することで、サービスごとにハードウェアを購入したり、ソフトウェアをインストールしたりする必要がなくなります。データは仮想のクラウド環境で保存・管理されるため、インターネット環境があればどこからでもサービスを利用できるのが強みです。
クラウドの種類
クラウドには、主に3つの種類があります。
種類 |
概要 |
サービスの例 |
---|---|---|
SaaS |
|
|
PaaS |
|
|
IaaS |
|
|
社内のITインフラをクラウド化するメリット・デメリット
社内のITインフラをクラウド化することにより、得られるメリットと注意しておきたいデメリットを知っておく必要があります。ここでは、クラウド化のメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
まず、クラウド化によって期待できる4つのメリットを見ていきましょう。
①コストを抑えられる
サーバやハードウェアの購入、それに伴うシステム構築や配線工事などの初期費用を抑えられます。
サーバや機器などの保守点検やメンテナンスも不要なため、運用コストも削減できます。
②運用負荷を低減できる
自社でサーバ構築やシステム開発、機器の設定・管理などはクラウドサービスの提供事業者が対応するため、管理や保守運用の負荷を低減できる点もメリットです。
保守運用やメンテナンスに人材を充てる必要がないため、リソースの削減にもつながります。
③場所やデバイスを問わずに業務できる
インターネット環境があれば、場所やデバイスに縛られることなくサービスを利用できます。
社内サーバやソフトウェアのクラウド化によってどこからでもアクセスできるようになるため、テレワークやサテライトオフィスでの勤務など、新しい働き方の後押しにもなります。
④災害やシステム障害に強い
クラウドサービスのサーバは、データセンターに置かれるのが一般的です。災害やシステム障害が起きた際にも企業の情報資源を安全に守れるといったメリットがあります。
自社でサーバを保有、あるいは社内のパソコンにデータを保存・管理している場合は、災害やシステム障害でデータ損失してしまうリスクがあります。クラウド化により、トラブル時にもインターネットがあれば事業を継続することが可能です。
デメリット
次に、クラウド化によって想定されるデメリットについてご紹介します。
①カスタマイズの自由度が低い
クラウド提供事業者のサービスを利用するため、企業側が自由にカスタマイズできないのが一般的です。
そのため、自社によるシステム開発やサーバ構築と比べると自由度は低くなってしまいます。自社に応じた柔軟なカスタマイズが必要な場合は、オンプレミスで運用する、あるいは一部のシステムのみをクラウド化する“ハイブリッドクラウド”の検討が必要です。
②セキュリティリスクがある
クラウドサービスでは、社外のサーバにデータを保存するため、情報漏洩や不正アクセス、ウイルス感染などのリスクは避けられません。
クラウド提供事業者によってセキュリティの強度が異なる点にも注意が必要です。
③利用環境が提供事業者に依存する
クラウドサービスの提供が終了すれば、サービスを利用できなくなります。
クラウド側にシステム障害や災害が起きた場合には、サービスが一時的に停止する可能性もあります。バックアップ環境が整ったクラウドを選ぶことが欠かせません。
クラウド化できるシステムや業務
クラウド化のメリット・デメリットを理解したところで、実際にどのような業務やインフラをクラウド化できるのかを見ていきましょう。
社内サーバのクラウド化
社内に物理的なサーバを持たず、クラウド環境へ移行することが可能です。サーバの構築や管理にかかる手間やコストを削減できるほか、自社でのサーバ管理が不要になるため、サーバ管理者の負担を軽減できます。
データはクラウド上に保存されるため、社内サーバやデバイスの容量を消費しません。インターネット環境さえあれば、自宅や外出先からでも社内ネットワークにアクセスできます。
基幹システムのクラウド化
販売管理や生産管理、売り上げ管理などの基幹システムをクラウド化することも可能です。各業務をクラウド環境で一元管理できるほか、複数のシステムを連携できるクラウドサービスもあります。
基幹システムのクラウド化により、ワーカーがどこからでもシステムにアクセスして業務を進められます。複数人で同時作業する、リアルタイムに情報共有するといった対応が可能になり、業務の効率化につながります。
書類のクラウド管理
業務で使用する請求書をはじめとした書類をクラウド上で保存・管理できます。書類のクラウド管理に利用できるサービスとして、クラウドストレージサービスやクラウド管理システムなどが挙げられます。
書類データをクラウド管理することで、ペーパーレスの実現につながるだけでなく、ワーカー間の情報共有や社内の情報検索も容易に行うことが可能です。
まとめ
場所にとらわれない柔軟な働き方によって業務効率化や生産性の向上を図るには、「オフィスに出社しなければ作業できない」「業務に使用するデバイスが限定されている」といった非効率な働き方を改善する必要があります。
クラウド化により、業務の効率化や社内の情報共有・情報検索の効率化などを実現し、働き方を改善することが可能です。自社の課題に応じて、クラウド化を検討してみてはいかがでしょうか。
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