オフィスにリフレッシュスペースは必要? 導入効果や事例を解説
政府が推進している働き方改革が進み、ワーカーが多様な働き方を選択できることによって、オフィス環境の見直しが求められています。
特に、1日の多くの時間を過ごすオフィスを快適な環境に整えることは、ワーカーのパフォーマンス向上やストレス軽減を目指すうえでも重要な施策ともいえます。そこで注目されているのが、リフレッシュスペースの導入です。
リフレッシュスペースには、ワーカーの気分転換やリラックスを促す以外にも、さまざまな導入効果が期待できます。この記事ではリフレッシュスペースの必要性や導入によって期待できる効果、さらにリフレッシュスペースを設ける際のポイントについて解説します。
目次[非表示]
- 1.リフレッシュスペースの必要性
- 2.リフレッシュスペースで期待できる3つの効果
- 2.1.①生産性が向上する
- 2.2.②ワーカー同士のコミュニケーションが活性化する
- 2.3.③人材定着や獲得に貢献する
- 3.快適なリフレッシュスペースをつくる4つのポイント
- 3.1.①リラックスできる空間をつくる
- 3.2.②プライバシーを配慮した空間をつくる
- 3.3.③カフェスペースを設ける
- 3.4.④体を動かせる設備を導入する
- 4.リフレッシュスペースの導入事例
- 4.1.株式会社資生堂様
- 4.2.株式会社Agoop様
- 4.3.株式会社JMAホールディングス様
- 5.まとめ
リフレッシュスペースの必要性
リフレッシュスペースとは、ワーカーが仕事による心身の疲れをリフレッシュする場所です。仕事に対するストレスや緊張を緩和したり、気分転換をしたりする場所として、オフィスに導入されています。
リフレッシュスペースの導入は、仕事のオン・オフを切り替えて効率よく仕事を進めるために有効な手段の一つです。特にデスクワークがメインのワーカーは、1日のうちの多くをオフィスで過ごします。「同じ作業を長時間行う」「長時間座り続ける」などの働き方は、疲れが溜まり、集中力が途切れやすくなります。
リフレッシュスペースは、こうしたワーカーのストレスや疲労を軽減し、気持ちの切り替えを促します。心身を休めて仕事への活力につなげるためにも重要な場所といえます。
リフレッシュスペースで期待できる3つの効果
オフィスにリフレッシュスペースを導入すると、さまざまな効果が期待できます。ここでは、そのうちの3つをご紹介します。
①生産性が向上する
リフレッシュスペースの導入は、生産性の向上に貢献します。
仕事の合間に気分転換をしたいときや疲労が溜まったときにリフレッシュスペースで休憩すれば、身体的な疲れを癒せるだけでなく、精神面のリフレッシュにもなります。
また、適度な休憩は集中力を維持し続けるためにも大切です。自席を離れ、リフレッシュスペースで気分転換をすることで、集中力を維持しやすくなります。
②ワーカー同士のコミュニケーションが活性化する
リフレッシュスペースは、ワーカー同士のコミュニケーションの場としても重要な意味を持ちます。
コミュニケーションの活性化は、モチベーションの向上や離職防止といったワーカーの成長意欲向上のためにも重要です。業務以外で交流を深められる場を設けることで、職場の人間関係を良好に保てます。
③人材定着や獲得に貢献する
ほかにも人材定着や人材獲得にも役立てられます。
リフレッシュスペースは、気分転換やほかの社員とコミュニケーションの場として活用可能です。ワーカー満足度の向上や離職防止、定着率のアップなどにつながります。
さらにこうした"働きやすい環境"は、来客された方にとっても好印象を与えるため、企業のアピールポイントとしての役割も果たします。
快適なリフレッシュスペースをつくる4つのポイント
リフレッシュスペースをつくる際には、快適に過ごせる空間を実現するためにワーカーのニーズを考えることが大切です。
①リラックスできる空間をつくる
「仕事が行き詰まっている」「残業や連続勤務で疲れている」というワーカーには、リラックスできる空間が必要です。そのためには執務スペースとは異なる空間設計を行います。
▼リラックスできる空間の例
- 大きな窓の設置や景色が見える設計で開放的な空間にする
- 緑や花を取り入れて視覚的な癒しを演出する
- 靴を脱いで横になれる休息スペースを用意する
- 落ち着いた照明やBGMで和やかな空間をつくる
自然の光や景色、緑を取り入れることでリフレッシュ効果を高められます。照明の明るさやBGMを工夫すること、従業員数に応じたゆったりと過ごせる広さを確保することも重要です。
②プライバシーを配慮した空間をつくる
ワーカーのなかには「周囲を気にせずに1人きりでくつろいだり、仮眠をとったりしたい」という方もいます。そのような希望をかなえるためには、プライバシーに配慮した空間も必要です。
▼プライバシーに配慮した空間の例
- マッサージチェアを置く
- 仮眠スペースを用意する
- 半個室のようなソファブースをつくる
プライバシーに配慮した空間の実現には、周囲の視線や音が気にならないような工夫が大切です。マッサージチェアの横にパーティションやカーテンを設置する、仮眠スペースは執務スペースとは離れた場所に確保して、暗めの照明を設置するなどの配慮を行いましょう。
③カフェスペースを設ける
「仕事の合間にコーヒーで一息つきたい」「従業員同士でお茶を飲みながらコミュニケーションを取りたい」などの要望に対しては、手軽に軽食を取れるカフェスペースの導入する方法もあります。
▼カフェスペースの例
- コーヒーメーカーや自販機、冷蔵庫を設置する
- カフェカウンターや簡易キッチンを設置する
- 自由に使えるカフェテーブルやソファ席を用意する
- 雑誌や新聞などの読書コーナーを設ける
カフェスペースは、昼食時はもちろん、仕事中の気分転換や社員同士のコミュニケーションの場としても有効です。家具やインテリアにこだわったお洒落な空間を設けることで、ワーカーの満足度アップも期待できます。
④体を動かせる設備を導入する
「長時間のデスクワークで体に違和感がある」「体を動かして気分転換したい」といったときに軽く運動できるような設備を導入するのもアイデアの一つです。
▼運動やスポーツができるスペースの例
- 卓球台やビリヤード台などの設備を導入する
- スポーツジムやトレーニングルームを設置する
休憩時間に楽しめるようなユニークな遊びスペースもおすすめです。卓球台やビリヤードなどの設備があれば、仕事場で体を動かしてリフレッシュできます。同僚や上司とのコミュニケーションやワーカーの健康促進にも有効です。
リフレッシュスペースの導入事例
これまでリフレッシュスペースの必要性やリラックスできる条件などを紹介しました。しかし、「実際のオフィスがどのようなデザインになるのか」イメージがつかない方もいます。
ここでは、当社で担当させていただいたリフレッシュスペースの事例をご紹介します。
株式会社資生堂様
株式会社資生堂さまの新研究開発拠点『資生堂グローバルイノベーションセンター』の事例です。14階の“S/PARK Switch”には、ワーカーが1人でも過ごしやすい、落ち着きのあるリラックス空間をご用意しました。
壁や床はダークトーンで統一し、色を調整できる照明やインテリアによってラグジュアリーな空間を演出しています。
仕事にストレスを感じたとき、問題の解決策やアイデアが浮かばないときなど、1人で気持ちや考えを整理できる場所となっています。
株式会社Agoop様
スマートフォンアプリの位置情報などのビッグデータ事業を行う会社、Agoopさまの事例です。
開放的なワークスペースの一角にカフェテリアのようなラウンジを設置しました。長テーブルや窓際カウンター、丸テーブルなど、形状の異なるデスクを配置することで、業務や昼食など用途に応じて活用できます。
ラウンジには冷蔵庫も設置されています。明るく清潔感のある白を基調にナチュラルな風合いの木材やグリーンを取り入れ、リラックスしやすい雰囲気です。
株式会社JMAホールディングス様
コンサルティング業界やITシステム業界などをクロスさせた、経営支援企業グループ、JMAホールディングスさまの事例です。
屋上には、東京タワーを望めるルーフトップを設置。開放的なテラスで仕事モードをオフにして気分転換ができます。
地下1階のラウンジスペースは、休憩はもちろんのこと、ミーティングや事務作業を行うことも可能です。
1階のラウンジスペースには、喫煙スペースが併設されているため、ワーカーが仕事の合間に一服する際にも利用できます。
そのほか、社員食堂のソファブースや壁向きのカウンターテーブルなど、1人でゆっくり休憩したいとき、社員同士で会話したいときなど、気分に合わせて利用できる空間を充実させています。
まとめ
オフィスに快適なリフレッシュスペースを設けると、ワーカーの疲労回復や気分転換に役立ちます。適度な休憩やリフレッシュは集中力を保ちやすくなるため、生産性の向上も期待できます。
導入効果を感じられるリフレッシュスペースにするためには、ワーカーのニーズを正しく把握し、設置するインテリアや照明、デザインなどを工夫することが大切です。
快適で働きやすい環境を整え、ワーカーのパフォーマンス向上を目指すために、自社にリフレッシュスペースの導入を検討してはいかがでしょうか。