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テレワーク導入時に必要なオフィスネットワーク環境

働き方改革の推進で普及が進むテレワーク。これからはテレワークとリアルオフィスでの勤務を組み合わせたハイブリッド型の働き方が徐々に定着していくと考えられます。

自宅のテレワーク環境だけでなく、業務内容やチームの役割、個々の状況に応じてワーカーが各々の働き方を選択できるよう、オフィス内のネットワーク環境を整備することが重要です。

本記事では、テレワーク導入のために必要なオフィス内のネットワーク環境について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.テレワーク導入に社内ネットワーク環境を整備する目的
    1. 1.1.①円滑な業務の遂行
    2. 1.2.②コミュニケーションの円滑化
    3. 1.3.③情報セキュリティの強化
  2. 2.テレワーク導入のための3つのアクセス方式
    1. 2.1.リモートアクセス方式
    2. 2.2.仮想デスクトップ方式
    3. 2.3.クラウド型アプリ方式
  3. 3.テレワーク導入に向けたネットワーク環境構築のポイント
    1. 3.1.VPNを構築する
    2. 3.2.クラウド環境を整備する
    3. 3.3.セキュリティ対策を実施する
  4. 4.まとめ


テレワーク導入に社内ネットワーク環境を整備する目的

ハイブリッド型の働き方を実現するには、ワーカーの自宅だけでなく、オフィスのネットワーク環境の整備が必要です。社内ネットワーク環境を整える目的は、主に3つあります。


①円滑な業務の遂行

テレワーク環境で円滑に業務を遂行するためには、自宅から社内システムやサーバなどにアクセスできるネットワーク環境が必要です。

また、業務に必要なデータや成果物を共有するために社員間で情報を共有できるストレージも欠かせません。


②コミュニケーションの円滑化

テレワークでは対面での会話ができません。オフィスに勤務するワーカーとテレワークを行うワーカー、もしくはテレワークを行うワーカー同士など、ワーカー間でコミュニケーションを取りやすい環境の整備が必要です。

コミュニケーションを円滑化することは業務を効率的に進めるためにも欠かせません。会議やミーティングについてもオンラインでスムーズに対応できる仕組みづくりが大切です。


③情報セキュリティの強化

テレワークを導入する際は、社外から社内のサーバやシステムに安全にアクセスできるネットワーク環境についても考慮しなければなりません。

情報漏洩や不正アクセスを防ぎ、大切な経営資産を守るためにもセキュリティ対策の強化が必要です。社内サーバやシステムだけでなく、テレワークを行うワーカーが利用する端末のデータ管理も必要です。



テレワーク導入のための3つのアクセス方式

自宅から社内ネットワークにアクセスする方法には、主に3つの接続方式があります。自社の業務内容や運用体制に応じて接続方式を選びましょう。


リモートアクセス方式

社内にある端末をテレワークで使用する端末から遠隔操作する方式です。自宅にある端末を利用して社内サーバやシステムに直接アクセスできるため、社内にある端末を持ち帰ったり、大がかりなシステム構築を行ったりする必要がありません。

テレワーク中に処理したデータは社内の端末に保存されます。ただし、リモートアクセス時の通信環境が安全でなければ、情報漏洩や不正アクセスなどのリスクがあります。これらのリスクへの対策として、仮想的な閉鎖網を通じて接続できるVPNを構築するのが一般的です。


仮想デスクトップ方式

仮想のクラウド上にデスクトップ環境を構築して社外で使用する端末からアクセスする方式です。自宅や外出先など、インターネット環境があればどこからでも社内サーバにアクセスできます。

クラウド上でサーバを一元管理できるため、データが社外で使用する端末に残らず、安全に使用できるのが特徴です。ただし、仮想デスクトップ環境を整備するためのコストがかかります。


クラウド型アプリ方式

インターネットを経由してクラウドサーバ上で提供されるアプリケーションを利用する方式です。アプリケーションには、業務支援システムや情報管理システム、文書作成ツールなどがあります。

ブラウザ上で利用できるため、インターネットがあればどこでもアプリを利用できます。テレワーク中の業務や情報管理だけでなく、オフィスでの情報共有や業務効率の改善にも有効です。



テレワーク導入に向けたネットワーク環境構築のポイント

テレワーク導入のためのアクセス方式を理解したうえで、ここではネットワーク環境を構築するポイントを見ていきましょう。


VPNを構築する

VPNは“Virtual Private Network”の略で仮想の専用線という意味があります。VPNを構築することで、データを暗号化して通信が行えます。社外からのリモートアクセス、オフィスとサテライトオフィス間の通信などを安全に行うために重要な仕組みです。

VPNには、一般的な公衆回線を用いる“インターネットVPN”、通信事業者が提供する閉域網を用いる“IP-VPN”と、主に2つの構築方法があります。


クラウド環境を整備する

テレワークで滞りなく業務を遂行するためには、業務管理システムやWeb会議システムなど、クラウド上で業務にかかわる情報を共有できるシステムの導入が有効です。

クラウド環境を整備することで、メールで情報をやり取りする必要がなくなり、リアルタイムな情報共有が可能です。クラウド上での同時作業も行えるため、テレワーク環境での業務を円滑に遂行できます。同時作業を行うことに配慮し、ワーカー同士がコミュニケーションを取りやすいツールを活用することもポイントです。

また、自社サーバやストレージ、ソフトウェアなどもクラウド化すると、オフィスでオンプレミスを用いた場合のような物理的な制約がなくなります。サーバの保守運用を自社で行う必要がないほか、クラウド上でデータが保存されるため、バックアップ体制も整えられます。


セキュリティ対策を実施する

テレワークにおける不正アクセスやウイルス感染のリスクを防ぐためには、セキュリティ対策が欠かせません。セキュリティ対策には、リモートアクセス通信の暗号化やゲートウェイのウイルス対策、パスワード管理などが挙げられます。

また、テレワークを行う際に社内で使用するパソコンやUSBメモリなどを社外に持ち出す場合には、アクセス通信制限やデータの利用制限なども設けておく必要があります。さらに、外部からの攻撃に備えてネットワークに脆弱性がないか定期的に確認しておくことも重要です。



まとめ

テレワークの普及が進むなか、テレワークとオフィス勤務を組み合わせたハイブリッド型の働き方が今後浸透していくことが予想されます。

テレワークを導入するには、自宅のパソコンから社内ネットワークにアクセスできる環境の構築が必要です。オフィスにいるワーカーと円滑に情報を共有したり、コミュニケーションを取ったりできる体制も欠かせません。

テレワーク業務を円滑に、かつ効率的に遂行するためには安全な通信を実現するVPNやクラウド環境の整備が重要です。自社の業務体制やコストなどを踏まえて、適したネットワーク環境を検討しましょう。


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