コスト削減・業務効率化を実現するスマホ内線化とは? 活用イメージとメリット
働き方改革の推進や新型コロナウイルス感染症対策の影響により、テレワークやサテライトオフィスなど、オフィス以外の場所で働くようになった方は多いのではないでしょうか。
オフィス以外の場所で働くことを考えた場合、「オフィスにかかってくる電話対応はオフィスでしか対応できない」というお悩みに直面することがあります。
そこで活用できるのが、外出先や自宅からでも会社の電話に対応できる“スマホの内線化”です。この記事ではスマホの内線化の基礎知識とメリット、活用イメージについて解説します。
目次[非表示]
- 1.スマホの内線化とは
- 1.1.①クラウド型PBXサービスを利用する
- 1.2.②IP-PBXを構築する
- 1.3.③通信キャリアが提供するFMCサービス利用する
- 2.スマホを内線化する4つのメリット
- 2.1.①コストの削減
- 2.2.②電話業務の効率化
- 2.3.③多様な働き方の実現
- 2.4.④組織の変化に柔軟に対応
- 3.スマホ内線化の具体的な活用イメージ
- 3.1.会社宛の問合せ電話にスマホで応答
- 3.2.外出中やテレワーク中のワーカーに内線でつなぐ
- 3.3.複数人への一斉着信を受付業務に活用
- 3.4.オフィス内の子機として活用
- 4.まとめ
スマホの内線化とは
スマホの内線化とは、スマホに専用のアプリケーションをインストールし、固定電話の内線の一つとして利用する方法です。
スマホを子機として利用できるため、電話機の購入や買い替え、設置が必要ありません。物理的なケーブルの接続が不要になることで、外出先や自宅からでも社内の内線電話を利用できるようになります。スマホを内線化する手段は、主に3つあります。
①クラウド型PBXサービスを利用する
1つ目の方法は、クラウドベンダーが提供する電話環境をインターネット経由で利用するサービスを用いて内線化する方法です。
PBXとは、構内交換機と呼ばれ、外線と内線または内線同士をつなぐのに必要な装置を指します。
クラウド上に設置されたPBXを利用するため、オフィスに物理的なPBXを設置する必要がなく、自社でのメンテナンスも必要ありません。インターネット環境があればサービスを利用でき、手軽に導入しやすいのがメリットです。
②IP-PBXを構築する
2つ目の方法は、メインの拠点となるオフィスとデータセンターにIP-PBXを設置して、それらをインターネット回線で接続する方法です。
スマホに専用アプリケーションをインストールすることで、インターネット回線を通じて内線通話が利用できるようになります。ただし、IP-BOXの場合、オフィスに機器を設置して使用するため、機器の購入やメンテナンスが必要です。
③通信キャリアが提供するFMCサービス利用する
3つ目の方法は、FMC(Fixed Mobile Convergence)サービスを利用し、スマホを企業の内線電話端末として利用する方法です。
大手の通信キャリアが提供するFMCサービスは、対応のエリア内であればどこでも内線がつながるようになります。固定電話と携帯電話、すべての運用を通信キャリア1社にまとめられるほか、通信料が定額になるため、コストを管理しやすいことが特徴です。
スマホを内線化する4つのメリット
スマホを内線化することで、外出先や自宅からでも会社の内線電話に対応できるようになります。ここでは、具体的なメリットを見ていきましょう。
①コストの削減
ワーカー同士の通話の場合、外出先でも内線通話として利用できるため、社内間の電話で通話料が発生することはありません。外出または出張が多い企業や部署では、通信コストの削減につながります。
また、スマホの内線化によってオフィスの電話がワイヤレスになるため、電話機の増設や配線変更も不要です。工事費や設備機器のメンテナンス費用などを抑えられるというメリットもあります。
②電話業務の効率化
スマホから内線の発着信や保留転送、自動転送ができるようになります。各社員が自分のスマホで電話対応できるようになるため、取り次ぎの手間や時間を削減できます。
また、オフィスにいない在宅ワーカーや外出中のワーカーに電話がかかってきた場合にも、担当者のスマホに取り次ぐことが可能です。内勤のワーカーに電話対応が偏るのを防げるため、社内の電話業務の効率化につながります。
③多様な働き方の実現
スマホの内線化により、電話対応のためにオフィスに出社する必要がなくなります。自宅で仕事している人やコワーキングスペースで仕事をしている人もオフィスにかかってきた電話の発着信が可能です。
それぞれのスマホに内線番号を割り当てることで、話したい相手に効率よく電話をつなぐこともできます。離れた場所でも円滑なコミュニケーションが可能になることで、オフィス内のフリーアドレスの導入を後押しできるほか、テレワークやサテライトオフィスでの勤務など、場所に縛られない働き方を実現できます。
④組織の変化に柔軟に対応
オフィスに固定電話の配線を敷く必要がなくなるため、オフィスのレイアウトを柔軟に変更することが可能です。事業の拡大・縮小、組織の変化などにもスピーディに対応できるメリットがあります。
従来の固定電話回線では配線変更の工事にコストがかかるほか、内線番号の割り当てを変更する際にも手間が発生していました。スマホの内線化により、事業計画や業務体制に応じたオフィス設計が可能になります。
スマホ内線化の具体的な活用イメージ
ここでは、スマホ内線化によってどのような対応が可能になるのか、具体的な活用イメージをご紹介します。
会社宛の問合せ電話にスマホで応答
外出先や自宅にいるときでも、顧客や取引先から問合せがあった場合には、スマホで応答できます。
会社の代表番号や直通番号を使って発着信できるため、会社宛の問合せ窓口としての利用が可能です。
外出中やテレワーク中のワーカーに内線でつなぐ
オフィスにいないワーカー宛に電話があった際、そのワーカーのスマホに転送電話でつなぐことが可能です。
オフィスで電話を一次受付してから電話を切って担当のワーカーに伝達するといったステップを省けるため、相手の待ち時間短縮にもつながります。急なテレワーク対応が必要になった場合にも、電話にかかわる業務をオフィス環境と同様に継続できます。
複数人への一斉着信を受付業務に活用
スマホ内線化では、複数台のスマホに着信を同時転送することで、一斉着信が可能です。この機能はWebサイトや店舗の受付窓口に活用できます。
誰かが電話を取り損ねた場合も、ほかのワーカーが対応できるため、電話の取りこぼしを防ぎ、応対品質の向上にもつながります。
オフィス内の子機として活用
スマホの内線化によって、固定電話の機能をスマホで利用できるようになります。
ワーカー一人ひとりがスマホを子機として活用することで、オフィス内の固定電話がある場所以外でも電話対応が可能です。固定席で電話を取る必要がなくなるため、オフィス内での柔軟な働き方を実現できます。
まとめ
スマホの内線化では、外出先や自宅からでもオフィスにかかってきた電話に対応できるようになります。これによりオフィスでのフリーアドレス導入、テレワークやサテライトオフィス勤務の導入など、場所に制限されない多様な働き方の促進が可能です。
また、電話機の設置や配線工事なども不要なうえ、外線通話にかかるコストを削減できるといったメリットもあります。「社内の通信コストを削減したい」「電話対応を効率化したい」とお望みの担当者さまは、スマホの内線化について検討してみてはいかがでしょうか。
文祥堂では、オフィスの有効スペースを新たに創出するためのフロアスペースマネジメントも行っています。スマホの内線化と併せて、オフィスのレイアウトを見直したいという企業さまは、ぜひお気軽にご相談ください。 |