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オフィス移転の費用はどれくらい? 相場を6項目に分けて解説

会社の規模にかかわらず、オフィス移転にはまとまった費用が必要です。
しかし、何にどのくらいの費用が必要なのか、目星がつかないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

予算に合った適切な移転計画を立てるためにも、オフィス移転にかかる大まかなコストを知っておくことが大切です。

本記事では、オフィス移転にかかる6つの費用とその相場について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.1.【現オフィス】原状回復費用
  2. 2.2.【現オフィス】不用品の廃棄にかかる費用
  3. 3.3.【新オフィス】賃貸借契約にかかる費用
  4. 4.4.【新オフィス】内装工事にかかる費用
  5. 5.5.引越しにかかる費用
  6. 6.6.その他の費用
  7. 7.オフィス移転にはゆとりのある予算設計を


1.【現オフィス】原状回復費用

不動産の賃貸借契約では、基本的に解約時の“原状回復義務”が定められています。賃貸オフィスの場合、居住用の賃貸住宅とは異なり、ほぼ確実に原状回復義務が課せられます。
原状回復の工事は、貸主や管理会社が指定した事業者によって実施されるのが一般的です。

原状回復に必要な作業はオフィスの賃貸契約によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
場合によっては、以下のような作業も原状回復の費用として負担しなければならないことがあります。

  • カーペットの張り替え
  • クロスの張り替え
  • 壁の再塗装
  • 天井ボードの張り替えや補修
  • 増設した間仕切りの撤去
  • 電気や電話回線の撤去
  • 床下配線の撤去
  • 窓や床などのクリーニング

物件によって原状回復にかかる費用には差がありますが、一般的な相場は以下のとおりです。

  • 小・中規模のオフィス:1坪あたり3~5万円
  • 大規模のオフィス:1坪あたり5~10万円

これらはあくまでも目安のため、事前に貸主や管理会社に費用相場を確認しておくとよいでしょう。

なお、賃貸借契約の際に敷金を預けている場合、原状回復工事にかかった費用を敷金で相殺できます。


2.【現オフィス】不用品の廃棄にかかる費用

オフィスの移転に伴い、デスクやチェア、収納棚などを新しいものに変える場合、使わなくなった不用品を廃棄しなければなりません。

廃棄にかかる費用は、依頼する産業廃棄物処理の事業者によって異なりますが、一般的な費用相場は以下のとおりです。

  • 2トン車1台分:7~8万円
  • 4トン車1台分:10~15万円

不用品の処理方法として、買取り事業者に依頼するのも手段のひとつです。状態がよければ、買取金をもらえるケースもあります。
まとまったデスクやチェア、電化製品などを処分する場合は、事前に配送コストや買取り額を見積もりしてもらうのがおすすめです。


3.【新オフィス】賃貸借契約にかかる費用

オフィス移転の際は、新しいオフィスの賃貸借契約を結びます。
賃貸借契約時には、以下のような費用が発生します。


■敷金
敷金は、物件を借りるときに担保として預ける保証金です。
賃料を滞納したときや原状回復にかかる費用に充てられ、原状回復工事や水道光熱費の経費を精算したあと、契約書の記載時期に合わせて返還されます。

敷金にかかる費用はオフィスの規模によって異なりますが、賃料の6~12ヶ月分が相場といえるでしょう。
50坪以下の小規模オフィスや、個人オーナーが所有している物件であれば、賃料の3~6ヶ月分と少なめに設定されているケースもあります。


■礼金
礼金は、物件のオーナーや大家に対して、お礼の気持ちとして支払うお金です。
賃貸オフィスは礼金が必要ないケースが多く見られますが、個人オーナーが所有している小規模オフィスでは礼金が必要な場合もあります。
礼金の相場は賃料の1~2ヶ月分です。


■火災保険料
賃貸物件の契約では、火災保険の加入が義務付けられているのが一般的です。
保険料は2年間で約2万円からとなっており、契約時のほか、2年ごとの更新時にも支払いが必要です。


■保証委託料
保証委託料は、賃借人の債務の一部を保証会社へ委託するための費用です。
賃借人が連帯保証人を用意する代わりに、保証会社に加入する料金を支払うという仕組みで、一般的には契約時に支払います。

相場は保証会社によって異なりますが、賃料の3割~10割で、1~2年ごとに更新が必要なものや、毎月分割して賃料と一緒に支払うケースなど、さまざまな形態があります。


■仲介手数料
新しいオフィスの物件探しや契約を仲介業者を通して行った場合は、仲介手数料が発生します。
仲介手数料は、賃料の1ヶ月分まで仲介業者が自由に設定できるため、依頼する会社によって費用が異なります。
賃貸オフィスの場合、相場は賃料の1ヶ月分です。


■賃料
新オフィスを借りるとき、最初の賃料は受け渡し前に支払うことになります。
月半ばに移転する場合は、賃料が日割り計算になるケースが一般的です。


4.【新オフィス】内装工事にかかる費用

新オフィスで、自社のコンセプトや業務内容に応じてレイアウトを決める際は、設計や内装工事にかかる費用を考える必要があります。

内装工事に必要な費用には以下が挙げられます。


■レイアウト・デザインなどのプラン設計
新オフィスのレイアウトやデザインを事業者に依頼する際は、プランニング費用がかかります。内装工事のプランニングやサービスによっても差があるため、事業者選びは慎重に行いましょう。
費用の相場は事業者や工事規模によって異なりますが、工事費用の10~15%程度とされています。


■内装・設備の工事費用
オフィスの間取りを変更するための工事や、空調・電気などを整備する内装工事の費用です。レイアウトやデザイン、素材にこだわるほど工事費用も高くなるため、予算の範囲内で工事内容を検討することが大切です。
内装工事の費用相場は1坪あたり10~20万程度となっています。


■通信設備の工事費用
オフィスとして機能させるためには、電気や電話などの配線工事、LANなどのネットワーク設備の工事が必要です。
設備費用の相場は1坪あたり5~15万程度ですが、高度なセキュリティや巨大サーバを構築する場合などは、その分費用が加算されます。


■オフィスの家具・什器を揃える費用
移転先となるオフィスの間取りや内装によっては、デスクやチェア、収納棚などを買い替えたり追加したりしなければならないことがあります。
新オフィスのプランを立てる際は、現オフィスから引き続き使えるものや、新たに必要となる家具や什器を事前にリストアップしておくと、予想外の費用がかかるのを防ぐことができるでしょう。


5.引越しにかかる費用

新オフィスの内装工事が完了したあとに必要となるのが、現オフィスから新オフィスへの引越し費用です。
引越し費用は荷物の量やオフィスの距離などによって変動しますが、従業員1人あたり2~5万円が相場価格とされています。

ただし、以下のケースでは引越し費用が高くなりやすいため注意しましょう。

  • オフィスにエレベーターがない
  • 大型家具や家電のクレーン(吊り)作業が必要
  • 引越し業者の繁忙期(2月下旬~4月上旬)

小規模オフィスで荷物が少ない場合は、自社従業員で引越し作業を行うことも可能です。ただし、従業員の体力的負担や怪我などのリスクがあるため、引越し業者に依頼したほうが安心といえます。

少しでも引越し費用を抑えたい場合は、移転の時期をずらしたり、荷物の量を最小限に減らしたりするとよいでしょう。


6.その他の費用

オフィス移転には、敷金や内装工事費用などの直接的な費用だけでなく、移転に伴う間接的な費用も発生します。


■登記にかかる費用
オフィスを移転した際は、移転登記の提出が義務付けられています。
移転するオフィスが本店の場合は移転から2週間以内に『本店移転登記申請書』を、支店の場合は3週間以内に『支店移転登記申請書』を提出する必要があります。

また、登記費用として3~6万円ほどの登録免許税がかります。申請書に収入印紙を貼り付けて納付しましょう。


■届出手続きの代行費用
オフィスの移転に伴い、さまざまな事務処理や届出が必要となります。
印鑑証明書や登記簿謄本などの書類を事前に取り寄なければならないケースもあるため、適切に処理しましょう。
行政書士や弁護士などの専門家に書類作成を代行してもらうのが一般的で、依頼費用の相場は10~20万円程度となっています。


■移転告知・印刷物にかかる費用
オフィス移転後は住所が変わるため、書類やパンフレット、名刺などの住所を変更する必要があります。
印刷物やWeb上の記載の修正にも費用がかかることを認識しておきましょう。
取引先や顧客への挨拶状が必要になる場合は、さらに印刷費と郵送費が発生します。費用相場は、1人あたり1~2万円程度です。


オフィス移転にはゆとりのある予算設計を

オフィス移転には、数百万・数千万単位のまとまったお金が必要になります。
物件選びはもちろん、内装デザインや施工会社などの業者選び、今使っている家具やオフィス什器の活用方法など、事前に計画を立てておくことが重要です。

また、予算内でのオフィス設計を考えると、どうしても費用を削らなければならないポイントが出てくることもあります。
そのため、内装工事費をカットし、できるだけ予算を抑えたいと考える方も多いのではないでしょうか。一方で、働きやすい職場環境をつくるためには、レイアウトや設備などにこだわることも大切です。

コストを抑えつつも、移転によってよりよいオフィス環境を整えるためには、お金をかけるべきところ・節約するところを社内でしっかりと洗い出すことが重要といえます。

何をどの業者に依頼するかで費用が大きく変わってくるため、依頼費用や満足度などを総合的に考慮して選定しましょう。

オフィス移転をワンストップで対応してくれる事業者・サービスもあるため、「オフィス移転の進め方が分からない」「各事業者の選定ややり取りにリソースを割けない」という場合は、このようなサービスの活用もおすすめです。

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