ニューノーマル時代の働き方“ワーケーション&ブレジャー”とは?
新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の流行により、オンライン営業やリモートワークが推進されたことで、オフィスでの働き方が変わりつつあります。
そうしたなか、ニューノーマル時代の新たな働き方として“ワーケーション&ブレジャー”が注目されています。
しかし、まだ広く浸透していない働き方のため、「具体的にどのような働き方なのだろう」「どのような導入メリットがあるのだろうか」といった疑問を持つ担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、観光庁が推奨しているワーケーション&ブレジャーの概要をはじめ、導入するメリットについて解説します。
目次[非表示]
- 1.ワーケーション&ブレジャーとは
- 2.ワーケーションとブレジャーの違い
- 3.ワーケーション&ブレジャーを導入するメリット
- 3.1.企業側のメリット
- 3.2.ワーカー側のメリット
- 3.3.受け入れ先側のメリット
- 3.4.受け入れ先の関連事業者側のメリット
- 4.まとめ
ワーケーション&ブレジャーとは
ワーケーション&ブレジャーとは、仕事と休暇を組み合わせた働き方のことです。それぞれ以下のような意味があります。
▼ワーケーション Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語です。普段のオフィスと異なる場所で仕事をしつつ、旅先で休暇を楽しむ働き方を意味します。余暇主体と仕事主体の2つのパターンがあります。 例)旅行先の宿泊施設やコワーキング施設を利用して、リモートワークで仕事をする
▼ブレジャー Business(ビジネス)とLeisure(レジャー)を組み合わせた造語です。出張等などを活用して余暇を楽しむ働き方を指します。 例)出張先の滞在時間を延長して、観光地で余暇を楽しむ |
新しい働き方は、ワーカーの多様な働き方の実現をはじめ、コロナ禍における旅行機会の創出・旅行需要の分散化を目的としています。観光庁においても、企業によるワーケーション&ブレジャーを推奨しています。
また、ワーケーション&ブレジャーは、企業とワーカーだけでなく、行政や地域、関連事業者にもさまざまなメリットが期待できます。それぞれのメリットについては後ほど解説します。
出典:国土交通省 観光庁『「新たな旅のスタイル」ワーケーション&ブレジャー』
ワーケーションとブレジャーの違い
ワーケーションとブレジャーは、仕事と休暇を組み合わせるという点においては同じです。しかし、休暇の組み入れ方やどちらを主とするのかという点において違いがあります。
画像引用元:国土交通省 観光庁『「新たな旅のスタイル」ワーケーション&ブレジャー』
ワーケーションの目的には、仕事だけではなく、旅先で休暇を楽しむことも含まれています。なかには、行き先や宿泊施設などをワーカーが選択できるケースもあります。
これに対してブレジャーは、出張等のビジネスの機会を活用して、業務の後に休暇を楽しむ働き方です。業務の遂行が主な目的となっており、休暇はあくまで二次的な位置づけです。
ワーケーションには、休暇型と業務型という2つの働き方があります。
①休暇型
- 休暇が主体となった働き方
- 休暇の一部に勤務時間を組み込む
②業務型
- 仕事が主体となった働き方
- 旅行先で仕事をしながら休暇を組み込む
ワーケーションの詳細はこちらの記事で解説しています。こちらも併せてご確認ください。
このように、仕事と休暇のどちらをメインにするかによって、ワーケーションまたはブレジャーを選択します。
出典:国土交通省 観光庁『「新たな旅のスタイル」ワーケーション&ブレジャー』
ワーケーション&ブレジャーを導入するメリット
ワーケーション&ブレジャーは、企業とワーカーだけではなく、受け入れ地域や関連事業者にとってもさまざまなメリットが期待できます。
企業側のメリット
企業側のメリットとして、人材確保やイノベーションの創出が挙げられます。
ワーケーション&ブレジャーによって有給休暇の取得促進を図ることは、ワーク・ライフ・バランスの実現につながります。ワーカーが普段とは異なる場所で働くことにより、気分転換やリフレッシュを促して、仕事の質の向上、イノベーションの創出、帰属意識の向上などが期待できます。
また、働きやすい環境を提供している点を求職者へアピールすることで、人材確保・人材流出の抑止につなげることも可能です。
そのほか、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)やSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)など、企業として求められる社会的な取組みに参加することで、企業価値の向上にも貢献します。
さらに、旅行先での仕事・休暇を後押しすることは、企業におけるBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対策や地方創生にも寄与します。
出典:国土交通省 観光庁『「新たな旅のスタイル」ワーケーション&ブレジャー』
ワーカー側のメリット
ワーカー側のメリットとして、働き方の多様化、ストレスの軽減やリフレッシュ、モチベーション向上、新たなアイデア創出が挙げられます。
ワーケーション&ブレジャーによって働き方の選択肢が増えることで、家庭の事情やプライベートを考慮しながら、自分に合った働き方が選択できます。
また、有給休暇の取得をためらっていたワーカーにとっては、会社の制度として確立されることで、長期休暇を取得しやすくなります。
さらに、旅行先で休暇を過ごすことは、ストレス緩和やリフレッシュ、モチベ―ションの向上にもつながります。働く環境が変わることで、地域の企業や団体との新たな出会いやアイデアの創出なども期待できます。
出典:国土交通省 観光庁『「新たな旅のスタイル」ワーケーション&ブレジャー』
受け入れ先側のメリット
行政・地域といった受け入れ先側のメリットとして、旅行需要の創出や地域活性化が挙げられます。
ワーケーション&ブレジャーで働くワーカーを受け入れることで、平日の旅行需要の創出を促して、交流人口の増加につながります。
また、地域が活性化することで、新たな雇用の創出やコロナ禍で低迷していた関連事業の活性化、遊休施設の有効活用などが期待できます。
出典:国土交通省 観光庁『「新たな旅のスタイル」ワーケーション&ブレジャー』
受け入れ先の関連事業者側のメリット
ワーカーを受け入れる関連事業者側のメリットとして、事業拡大や雇用創出、新たなソリューション開発が挙げられます。
たとえば、関連事業者と行政が連携して、企業のニーズに合わせた宿泊施設の提案や機材の設備などを行うことで、企業側の新たなソリューション開発やそれに伴う雇用の創出などが期待できます。
出典:国土交通省 観光庁『「新たな旅のスタイル」ワーケーション&ブレジャー』
まとめ
この記事では、ワーケーション&ブレジャーについて、以下の項目で解説しました。
- ワーケーション&ブレジャーとは
- ワーケーションとブレジャーの違い
- ワーケーション&ブレジャーを導入するメリット
ワーケーション&ブレジャーでは、旅行先や出張先で仕事をしながら休暇を楽しむことができます。
企業にとっては、多様な働き方を実現して人材を確保したり、ワーカーのリフレッシュを促して、仕事の質の向上やイノベーションの創出を図ったりといったメリットがあります。ワーカーや受け入れ地域・関連事業者にとっても、今回ご紹介したようなさまざまな効果が期待できます。
国内でも新たな働き方として注目を集めており、各地域でワーケーション施設が広がりを見せています。北海道や長崎県といった都心から離れた場所のほか、都心からアクセスのよい小田原などでもワーケーション施設を利用できます。
「遠隔地でのワーケーションはハードルが高い」と感じる場合は、ワーカーの希望を尊重しつつ、アクセスのよい場所を選んでみてはいかがでしょうか。
【Workcation House U】
例えばこちらのWorkcation House U(ワーケーションハウス ユー)は、海の見える非日常的な環境にも関わらず、小田原駅から2駅という場所にあり、都心からも近く、ワーカーがアクセスしやすい施設です。
また、ワーケーション&ブレジャーの導入によって、これまでのオフィスの使い方や稼働率が変わることが考えられます。オフィス環境の改善については、こちらでさまざまなコラムを掲載しています。ぜひお役立てください。