アジャイルワーキングとは? アジャイルなワークプレイスを取り入れるメリット
働き方改革やテレワーク、サテライトオフィスなどの普及により、仕事の拠点となるオフィスのあり方が変化しつつあります。
時代による働き方の変化に対応し、ワークプレイスの利便性や価値を高めていくためには、近年注目されるアジャイルワーキングの考え方が重要です。
しかし、「アジャイルワーキングについてよく分かっていない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、アジャイルワーキングとはどのようなものか、その概念や重要性、アジャイルなオフィスのメリットなどについて解説します。
目次[非表示]
- 1.アジャイルワーキングとは
- 2.アジャイルワーキングが求められる背景
- 3.アジャイルなオフィスづくりのメリット
- 3.1.①自由な働き方の実現
- 3.2.②社員間のシナジー創出
- 3.3.③企業変化への適応
- 4.まとめ
アジャイルワーキングとは
アジャイルワーキングとは、迅速に、かつ効率的に業務を進められる働き方を指します。
アジャイル(Agile)には「機敏な」「素早い」といった意味があり、もともとはシステム開発の手法の一つである“アジャイル開発”をワークスタイルに応用した考え方です。アジャイル開発は、開発段階で発生する要件定義や計画、実装、テストなどを小単位で実施し、反復しながら開発を進める手法です。
アジャイル開発と対比される開発手法に“ウォーターフォール開発”がありますが、こちらはプロジェクトの要件や設計の大枠を決定してから段階的に開発を進める手法です。綿密に立てた計画に沿ってプロジェクトを進めるため、コストや納期をコントロールしやすい一方、途中で仕様変更しづらい欠点があります。
アジャイル開発の利点は、ウォーターフォール開発と比較して柔軟かつスピーディーに仕様変更に対応でき、市場の変化や顧客ニーズに対応しやすい点です。
アジャイルワーキングが求められる背景
アジャイルワーキングが求められている背景には、企業を取り巻くさまざまな環境の変化や働き方の多様化などが理由として挙げられます。
働き方の多様化
現在、働き方改革によって多様な働き方が推進されています。テレワークやサテライトオフィスの導入、フリーアドレスを実現するためには、アジャイルワーキングに対応したオフィス変革が求められます。
たとえば、オフィス内のワークプレイスの見直しやICT活用、ネットワーク環境の構築などが挙げられます。自宅や外出先からでも円滑かつ効率的に業務を遂行できる環境を構築することで、多様な働き方を後押しできます。
事業環境の変化
顧客ニーズの変化やビジネス環境が急速に変化する中で、将来の社会やビジネスを予測することは容易ではありません。こうした状況はVUCA(ブーカ)と呼ばれます。
VUCAは、変動制・不確実性・複雑性・曖昧性といった要因によってビジネス環境が不透明で予測困難なことを示しています。VUCAの時代を生き抜くためには、あらゆる変化に柔軟に対応しつつ、効率的な事業運営ができる体制づくりが必要です。
具体的には、ビジネスの縮小・拡大、新規事業の立ち上げなど、事業環境の変化に対応できるオフィス環境が求められます。
社会情勢の変化
新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)を機に、生活様式や働き方が変化しています。働く拠点となるオフィスにおいても、多様化する生活様式に合わせて働ける環境づくりが求められています。
企業のワークプレイスを考える際は、社会情勢に合わせたオフィスのあり方を再定義することが必要です。オフィスの価値を生むためには、単なる作業場所としてではなく、コラボレーション創出やワーカーのエンゲージメント向上の場としてオフィスを活用できる環境づくりがカギとなります。
アジャイルなオフィスづくりのメリット
働き方や事業環境が変化する中、本拠地となるオフィスに価値を生み出すには、アジャイルを意識した適応的かつ可変的なオフィスづくりが求められます。
コロナ後の働き方を意識し、ワーカーのニーズに対応したオフィスづくりを実現することによって、以下のようなメリットが得られます。
①自由な働き方の実現
業務内容やその日の気分に応じて働く場所を選べるオフィス環境を整えることにより、ワーカーの一人ひとりが求める自由な働き方の実現が可能です。
執務スペースや集中ブース、打ち合わせエリアなど、用途ごとに使い分けられるオフィス設計により、業務を効率的に進められるため、生産性の向上につながります。
「一人で業務を進める場所」「気分転換のためにリラックスできる場所」などをワーカー自身のバランスで選択できることは、働く上でのモチベーションにもよい影響を与えます。
②社員間のシナジー創出
社員間のシナジー創出が期待できる点もメリットの一つです。他部署同士の自然な交流を促す休憩スペース、ミーティングスペースなどの導入により、社員間のコミュニケーションを活性化できます。
これらにより、頻繁な意見交換やミーティングを促進し、新たな発想やアイデアが生まれやすくなります。価値観の共有や帰属意識を高める場としてオフィスに出社する意味をワーカーに理解してもらうことが可能です。
③企業変化への適応
アジャイルワーキングを意識することで、時代とともに変化する環境や働き方に適応できるオフィスを実現できます。
たとえば、可動性のあるデスクやチェア、さまざまな用途で使えるフリースペースの導入などが挙げられます。オフィスに柔軟性を持たせることで、新部署の設立や人員の増減など、将来的な企業変化にも対応しやすくなります。
まとめ
働き方やビジネス環境が多様化する現代のオフィスには、柔軟かつ迅速に業務を遂行するためのアジャイルワーキングが求められています。
オフィス環境の改善によってアジャイルワーキングに対応できるようになることで、場所と時間に縛られない働き方、事業内容や成長に応じたワークプレイスの見直しが可能です。
アジャイルなワークプレイスを取り入れることにより、ワーカーがオフィスに価値を見いだしやすくなる他、ワーカー同士のコラボレーションやアイデアの創出も期待できます。
時代に合わせた可変的なオフィス環境を目指す企業の担当者さまは、アジャイルワーキングの実現に向けたワークプレイスの見直しを図ってみてはいかがでしょうか。
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