オフィスデザインが生み出す効果と参考にしたいデザイン・レイアウト事例
新型コロナウイルス感染症の影響によってテレワークを実施する企業が増えています。なかには、オフィス稼働率の低下を受けてオフィス縮小を検討している企業もあります。
縮小後のオフィスデザインについて検討するうえで、「オフィスにデザイン性は必要?」「内装コストはできるだけ圧縮したい」と考える企業の経営者さまは多いのではないでしょうか。
オフィスデザインを考える場合、業務をスムーズに遂行するための機能性だけでなく、業務の質やワーカーのモチベーションなど、さまざまな要素に影響を与えるデザイン性にも注目することが大切です。そこで今回は、オフィスデザインが企業にもたらす効果と重要性について解説します。
出典:総務省『令和2年版 情報通信白書』
目次[非表示]
- 1.オフィスデザインの重要性
- 2.オフィスデザインが生み出す4つの効果
- 2.1.1.生産性の向上
- 2.2.2.コミュニケーションの活性化
- 2.3.3.企業のブランディング
- 2.4.4.人材の確保・定着率の向上
- 3.魅力的なオフィスデザインを考えるポイント
- 3.1.創造性を生み出す工夫
- 3.2.商材やコンセプトに合わせたオフィスデザイン
- 3.3.バランスのとれたデザイン
- 4.オフィスデザイン・レイアウト事例
- 4.1.株式会社ロケーションバリュー様
- 4.2.artLarge inc.様
- 4.3.ケネディクス株式会社様
- 5.まとめ
オフィスデザインの重要性
オフィスデザインとは、オフィスで過ごすワーカーや来訪者のために考えられた空間デザインのことです。仕事に必要な機能や設備だけでなく、視覚的効果を取り入れた空間づくりが重要と考えられています。
オフィスでは「仕事ができれば十分」と考えられがちですが、閉鎖的な環境や殺風景なオフィスでは、ワーカーにストレスを与えることがあります。ストレスが蓄積されれば、業務の質や効率の低下につながりかねません。
ワーカーのモチベーションを高め、効率よく業務に取り組んでもらうためには、オフィスの居心地のよさやデザイン性を重視することも大切です。オフィスデザインにこだわることは、そこで働く人のストレスの緩和にもつながる重要な要素といえます。
オフィスデザインが生み出す4つの効果
魅力的なオフィスデザインは、ワーカーのやる気を促すだけでなく、企業イメージを高めるうえでもプラスの効果をもたらしてくれます。どのようなことを意識したデザインにすればどういった効果を得られるのか、詳しくみていきましょう。
1.生産性の向上
ワーカーにとってオフィスは1日のうち多くの時間を過ごす場所です。たとえば、壁に囲まれた狭いスペースや窓のない圧迫感のあるオフィスは、モチベーションの低下やストレスにつながることがあります。
居心地がよく、快適で魅力的なオフィスデザインはやる気や集中力を高め、業務の効率化や生産性の向上に結び付きます。
2.コミュニケーションの活性化
デスク配置や休憩スペースなどを工夫することで、社内のコミュニケーションを活性化できる効果が期待できます。
▼コミュニケーションの活性化を促すスペースの例
- 執務室内のオープンスペースの配置
- カフェスペースの用意
- 自由に使える図書室やリフレッシュスペースの設置
仕切りのないオープンスペースやリフレッシュスペースのように、ワーカーが自然と集まるスペースを設けることで部署やチームの垣根を超えてコミュニケーションを取りやすくなります。
何気ない会話から新たな発想が生まれる、意見交換・知識共有によって課題解決が早まるといった効果を期待できるだけでなく、良好な人間関係づくりのためにも有効です。
3.企業のブランディング
オフィスデザインは、企業のビジョンや価値観を社内外に示す材料としても機能します。言葉だけでは伝わらない企業のアイデンティティやストーリーなどの視覚的なアピールが可能です。
▼企業のイメージの例
- クリエイティブな企業
- 信頼を大切にする企業
- トレンドを追求する企業
これらの企業イメージを表すうえでオフィスデザインは大切な働きをします。来訪者に対して企業の特色を発信することで、ブランディング効果が期待できます。
4.人材の確保・定着率の向上
オフィスデザインは、企業の第一印象を左右する要素といっても過言ではありません。おしゃれで快適なオフィスは、求職者の目にも魅力的に映ります。
業務内容や福利厚生以外に、オフィスデザインで他社と差別化できる要素があれば、採用活動においても大きな強みといえます。働く人に向けて考えられた快適なデザインは、企業のイメージアップや人材の定着率の向上にもつながります。
魅力的なオフィスデザインを考えるポイント
オフィスデザインを考える際は、業務に集中できて、なおかつ居心地もよい空間づくりを意識することが大切です。ここでは、魅力的なオフィスデザインを実現するためのポイントをご紹介します。
創造性を生み出す工夫
新たなアイデアの創出が求められるクリエイティブな業務を行うスペースは、自由なコミュニケーションや創造性を刺激するような工夫を取り入れましょう。
▼アイデア例
- 人が集まるカウンターやミーティングスペースの設置
- 創造性を刺激する斬新なデザイン
- 専用デスクではなくフリーアドレスを採用
- ユーモアのあるデザイン
オープンな設計でワーカーの創造性を刺激したい場合は、執務室内を自由に動けるように工夫したり、斬新なデザインのインテリアを取り入れたり、自由な発想を促すようなアイデアやデザインを採用しましょう。
商材やコンセプトに合わせたオフィスデザイン
“自然素材のインテリアや観葉植物を多用したデザイン”、“仕切りを最小限にした開放感のある空間”など、オフィスのデザインによって企業イメージをアピールできます。
来訪者に自社イメージを伝えるには、自社で取り扱う商材のコンセプトを内装デザインで表象化するのも一つの手段です。
▼内装デザインとコンセプトの例
- 金融や保険など:誠実さ、信頼性が伝わる落ち着いた雰囲気
- アパレル・雑貨など:トレンド感のあるおしゃれなデザイン
- 美容・健康など:癒しを感じられるナチュラルなデザイン
商材やサービスのイメージ、企業コンセプトをオフィスデザインに反映させることは、来訪者だけでなくそこで働くワーカーへのアピールにもなります。ワーカーがやる気や誇りを高めるきっかけとなるはずです。
バランスのとれたデザイン
オフィスデザインでは、ワーカー同士のコミュニケーションを誘発させるデザインだけでなく、業務の進めやすさに注目することも大切です。
1人で黙々と作業に打ち込みたいときと複数人でディスカッションするときの両方のシーンに対応できる空間設計を考えましょう。
▼業務内容に合わせたデザイン例
- 境界線にパーティションを置く
- ガラス素材の仕切りを採用する
- 床材や壁紙、照明によって空間を仕切る
- ブース型の席を配置する
仕事内容や職種に応じて適切なブースを確保することで業務効率が高まります。オフィスデザインで高い生産性を目指すために、コミュニケーションゾーンとプライバシーゾーンを分けて設計することがポイントです。
オフィスデザイン・レイアウト事例
これまでに紹介したポイントを実際のオフィスデザインに落とし込むとどうなるのかを、当社のオフィスデザイン事例とともにご紹介します。
株式会社ロケーションバリュー様
株式会社ロケーションバリュー様は、アプリ開発を手掛ける会社です。
各所に緑を取り入れた明るい雰囲気のオフィスには、フラットなリフレッシュスペースや一人用デスクなど、業務やワーカーの気分に合わせて働きやすさを選択できるデザインがポイント。
人が自然と集まれるオープンな空間は、遊び心と開放感の両方を感じられます。恒常的に会話のきっかけを生み、オフィス全体にポジティブな印象を与えるデザインを実現しています。
デザイン事例の詳細については、こちらをご覧ください。
▶株式会社ロケーションバリュー様
artLarge inc.様
artLarge inc.様は、Webや広告などのグラフィックデザインを手掛ける会社です。
無機質な壁に木のぬくもりをプラスして、洗練された空間にデザインしています。無骨なパーツが目を引く照明で、都会的でスタイリッシュな印象を与えています。
デザイン事例の詳細については、こちらをご覧ください。
▶artLarge inc.様(2019年新オフィス)
ケネディクス株式会社様
ケネディクス株式会社様は、不動産市場と金融市場をつなぐ不動産アセットマネジメント会社です。
「公園のなかのオフィス」をコンセプトに、日比谷公園を臨む窓面を活かした開放的な設計を採用。ラウンジにはR型のアイランドカウンターを設置し、軽く一息つける空間を用意しました。
天然素材をモチーフに、テクスチャーの異なる壁紙を採用することで、温かみや有機的な流れを表現しています。
デザイン事例の詳細については、こちらをご覧ください。
▶ケネディクス株式会社様
まとめ
オフィスデザインの改善は働くワーカーのモチベーションや生産性の向上をはじめ、さまざまな効果をもたらしてくれます。
オフィスデザインに工夫を凝らすことは、来訪者への印象をよくするだけでなく、企業のビジョンやコンセプトの表象化にもつながります。さらに、オフィスデザインにより企業のイメージアップができれば、人材確保や定着率の向上に役立てられます。
オフィスの縮小や移転を検討中の方や効果的な経営戦略をお探しの方、業務効率や生産性を高めるためのヒントをお探しの方は、自社のオフィスデザインを見直してみてはいかがでしょうか。