メリット多数! あえてオフィス環境整備に力を入れる理由とは?
ワーカーの多くが1日の大半を過ごしてきたオフィス。テレワークの普及を受けてオフィスの解約や縮小も見られますが、オフィス利用の目的を見直し、特化する形で逆にオフィス環境整備に力を入れる企業も出てきています。
さまざまな企業がオフィス環境の整備に工夫を凝らしている理由は、それらによって得られるメリットが多いからにほかなりません。企業が成長していくためにもワーカーがモチベーションを維持しながら働きやすい環境を整えることが重要です。
今回はオフィス環境の整備に力を入れることよって得られるメリットや、オフィス環境整備を実践する際のポイントを解説します。
目次[非表示]
- 1.オフィス環境整備に力を入れることで得られるメリット
- 1.1.生産性の向上
- 1.2.健康的なワークスタイルの実現
- 1.3.ワーカーのエンゲージメントの向上
- 1.4.優秀な人材の確保
- 2.オフィス環境整備のポイント
- 2.1.業務に適した空間を整える
- 2.2.コミュニケーションが円滑にとれる
- 2.3.快適性を高める
- 3.まとめ
オフィス環境整備に力を入れることで得られるメリット
いまオフィス環境整備に力を入れている企業は、「ABW」という考え方をベースに、それを実現するためにオフィス作りをしています。
ABW(Activity Based Working)とは 仕事に応じて、「時間」と「場所」を自由に選択できる働き方のことです。
ではABWをベースとしたオフィス環境整備に力を入れることによって、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
生産性の向上
ABWを取り入れたオフィスでは、 ワーカーがいまやるべき仕事に対して、いつ・どの場所でやるのが最も効率がいいか、また創造性を発揮できるか、自分で決めることができます。
自分のパフォーマンスを高めてくれる空間に身を置くことによって、個々のワーカーの生産性向上が期待できます。
生産性の向上は、働き方改革で求められている課題のひとつです。業務効率化が実現できれば、長時間労働の解消にもつながります。適切な労働環境を考えるうえでも大きなメリットとなるため、業務内容や課題に応じて最適なオフィスを築いていくことが大切です。
健康的なワークスタイルの実現
画一的なオフィスは、必ずしもワーカーの健康に寄り添ったものではありません。
明るく解放的な空間がいい人や、暗めの照明で閉じた空間がいい人など、その人自身の個性や体調、精神状態によって最適な場所というのは変わってきます。
ワーカーが自分に適した場所で働けることによって、人や環境のストレスが軽減し、健康的な働き方ができるようになります。
人やオフィス環境に対して感じるストレスを減らすことができれば、従業員の集中力アップやモチベーションの向上にもつながり、一人ひとりが気持ちよく仕事を進められるようになるはずです。
ワーカーのエンゲージメントの向上
快適なオフィス環境は、ワーカーのエンゲージメントの向上につながります。たとえば、おしゃれで機能的なオフィス環境は、仕事に対するモチベーションアップに影響し、自社への愛着も感じやすいといえます。
また、ABWでは自分で場所を「選んで」働くことができます。この自らが「選ぶ」という行為を通して、徐々に主体的な働き方へとシフトしていきます。
そして高いパフォーマンスで主体的に働くことができることによって、ワーカーのエンゲージメントは向上します。ワーカーのエンゲージメントが高まれば、会社への貢献意識も高まり、企業全体の生産性向上につながるでしょう。
優秀な人材の確保
オフィス環境を充実させることは、優秀な人材の育成や確保にも役立ちます。働きやすく快適なオフィス環境は、ワーカーにとって非常に魅力的です。ワーカーの視点に立ち、レイアウトや設備に工夫を凝らすことで会社と従業員のエンゲージメントを高め、離職防止につなげられます。
優秀な人材ほど主体的に働き、旧態依然とした組織文化を嫌うもの。オフィスやそこで働くワーカーを見た時に、雰囲気や空気感を感じ取り、去ってしまうことは間々あることです。たとえば、同じような条件の企業が2社あったとき、より主体的に働けるオフィス環境がある方を選ぶのは自然なことです。
優秀な人材を確保したいのであれば、その人が「働きたい」と思うオフィスや働き方を見せていく必要があります。人材の取り合いになっている現状では、この人材確保がオフィス環境整備に力を入れる大きな理由の一つになっています。
オフィス環境整備のポイント
「いつでも」「どこでも」働けるようにオフィス環境を整備することは、ワーカーやワークスタイルが多様化した現代においては、非常に大切なことです。テレワークとは、そうした「いつでも」「どこでも」働けるワークスタイルの延長線上にあるとも言えます。
フリーロケーションな働き方に変化しつつある中で、オフィスの環境整備はどのようなポイントを押さえれば良いのでしょうか。
業務に適した空間を整える
テレワークでは必ずしも自分の業務に適した環境で働けるとは言い難い現状があります。そのため、集中力が途切れたり、意識の切り替えが上手くいかないといった声も上がっています。
オフィスにおいては、そういった意識の切り替えや、業務に集中できる空間、最適なパフォーマンスを発揮できる空間があるということが、重要な要素になります。多様な人が最適に働くためには、一つの空間だけではなく、特性を持たせた異なる複数の空間を設置し、その中から「選んで」もらうことがポイントです。
自社の業務や働き方によって、どのような空間を設置していけばよいかは変わってきます。複数の空間のアイデアをプランニングしてもらい、どのように組み合わせて働くのが良いかを検討しましょう。
コミュニケーションが円滑にとれる
コミュニケーションの取りやすさは、業務の生産性やワーカーの満足度を高めるうえで重要な要素です。
テレワークではWeb会議をすることが多いですが、どちらかの接続環境が悪いと話がうまくできなかったり、活発な意見交換が難しいという現状があります。
そのためオフィスでは直接的な会話はもちろん、Web会議においてもスムーズで簡易に利用できることが重要です。オフィスにおいては円滑なコミュニケーションができる空間である、という要素を押さえることがポイントとなります。
動線を使って気軽なミーティングや会話を生む空間設計や、Web会議を簡単に安心して使える環境を整えることで、社内だけでなく社外も含めたスムーズなコミュニケーションをオフィスで行うことができます。
オフィスの充実した設備・環境でどのようにコミュニケーションをとりたいかを考え、それにむけてどのようにICTツールや空間を構築していくかをプランニングしていきましょう。
快適性を高める
ワーカーにとっても経営者にとっても、オフィスの快適性は重要な要素です。オフィスと比べてテレワークの方が快適性が高い環境になっているとしたら、オフィスの意義を大きく損ねていると言えるでしょう。
数あるワークプレイスの中からオフィスを「選ぶ」理由に、ワーカーのパフォーマンスが最大限に高まることへの期待があります。快適性はそれを支える重要な要素の一つです。「オフィス内が寒すぎる」「周りの音がうるさい」といった環境は健康への悪影響はもちろん、ワーカーのモチベーションまで低下させてしまいます。
室温・採光・音・においなどはオフィスの快適性を高めるための大切なポイントです。働くスペースごとにどのような環境として整えるのが良いのかを考え、そのために必要な対策を取っていきましょう。快適性を高めることで生産性やエンゲージメントの向上に繋がっていきます。
まとめ
働き方は、ABWをベースとして「いつでも」「どこでも」働ける方向にシフトしていますが、その流れにオフィスが取り残されることがあってはなりません。オフィスは、今や働く場所の選択肢のひとつとして選ばれる存在となりましたが、在宅やシェアオフィスといった空間とは一線を画しています。
それは、そこで働くワーカーの業務にぴったり合った空間を作ることができる、という前提があるからです。またオフィスづくりに力を入れるのも、自社のワーカーに最適な空間が、すなわち組織全体の高い生産性に繋がるからにほかなりません。
自社にとって最適なオフィスとは何なのか。どのように課題を定義し、解決していけばよいのか。そういった疑問や課題観をお持ちなら、一度ワークプレイスのコンサルティングに提案を依頼してみるのも良いでしょう。
オフィス環境の整備に取り組む際は、自社にとってより効果的な方法を見極め、目的を持って実践しましょう。