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従業員のエンゲージメントを向上させるオフィス環境とは?まず押さえるべき基準を解説。

オフィスは、従業員が一日のうち多くの時間を過ごす場所です。

そこで働く従業員の安全と心身の健康を守るために、労働安全衛生法では“事務所衛生基準規則”という基準が定められています。

この規則では、オフィス内の気温や湿度などの基準が設けられており、従業員が安全かつ健康的に業務を行うための環境づくりに欠かせない要素が盛り込まれています。

労災やメンタルヘルス不調などを防ぐためにも、基準を押さえたオフィス環境を整えることが重要です。

本記事では、事務所衛生基準規則をもとに、快適なオフィス環境を整備する際の基準について紹介します。

出典:総務省『事務所衛生基準規則


目次[非表示]

  1. 1.空間ときれいな空気を確保する
  2. 2.快適な温度を維持する
  3. 3.自然に近い明るさの照明を設置する
  4. 4.騒音や振動対策を行う
  5. 5.清潔で居心地のよい環境を用意する
  6. 6.まとめ


空間ときれいな空気を確保する

事務所衛生基準規則では、働く従業員の心身の健康を維持することを目的として、一定の空間ときれいな空気を確保するための基準が設けられています。

まず、床から4m以上の高さがある室内では、設置する備品等を除き、1人当たり10m2以上の空間を確保することが定められています。

室内に十分な換気が行える設備がない場合には、窓やドアといった開口部の直接外気に向け開放できる部分の面積を、床面積の20分の1以上にします。

また、きれいな空気を保つには定期的な換気も重要です。

規則内では、一酸化炭素や二酸化炭素の含有率にも基準があります。1気圧で室温25度の場合、“一酸化炭素濃度は50ppm以下・二酸化炭素濃度は0.5%以下”と定められています。

十分に換気を行っていないと、体熱によって室内の温度・湿度が上昇するほか、呼吸によって酸素の減少、二酸化炭素の増加を引き起こします。

さらに、ホコリや細菌、においなどがオフィスに充満して環境悪化を招く可能性もあります。

同時に、分煙対策も検討しましょう。

たばこの煙やにおいは、たばこを吸わない人にとっては不快といえます。

受動喫煙を防ぐ観点からも、喫煙スペースについての配慮が必要です。

上記の規則を守ることはもちろん、オフィス内で意識的な換気や分煙対策を行い、従業員が気持ちよく健全に業務ができる快適な環境づくりに努めましょう。



快適な温度を維持する

暑い・寒いと感じるオフィスで長時間仕事をすると、健康に影響を及ぼしかねません。

事務所衛生基準規則では、室温が10度以下の場合、暖房などで温度調節をすることが定められています。

冷房をつける場合、外の気温よりも必要以上に低く設定してはいけません。

また、空調設備を設置している場合は、オフィス内の気温が17度以上28度以下、湿度40%以上70%以下になるようにします。

なお、風速は0.5m毎秒以下が適切とされています。

気温・湿度・空気の流れを適切に設定し、快適なオフィス環境を整えましょう。



自然に近い明るさの照明を設置する

事務所衛生基準規則では、作業内容によって明るさの基準が設定されています。

作業ごとの基準値は以下のとおりです。


  • 精密な作業:300㏓以上
  • 普通の作業:150㏓以上
  • 粗な作業:70㏓以上


事務作業がメインとなる一般的なオフィスでは、300〜700㏓を目安とするとよいでしょう。

室内の照明や採光には、明暗がはっきり分かれていないこと、そしてまぶしくないことが求められます。

なお、これらの照明設備については、6か月ごとに定期点検を行うこととされています。



騒音や振動対策を行う

オフィス内での騒音や振動は、従業員へストレスを与え、集中力を阻害する原因になりかねません。

従業員の健康を阻害するような音・振動を発生させるような機器を使う場合は、隔壁を設ける、防音設備を導入するなどの対策が定められています。

騒音や振動の発生源には、オフィスで使用される各種OA機器によるものだけでなく、キーボードをタイプするときの音なども含まれます。

とくに、シュレッダーやコピー機など、騒音を発生する事務用機器を5台以上同時に使用する場合には、遮音および吸音の機能を持つ天井や壁で区画した専用の作業室を設けるよう定められています。



清潔で居心地のよい環境を用意する

従業員の健康を維持するためには、オフィスを清潔に保つことも必要です。

労働安全衛生法では、事業者が労働者に対し水質基準を満たした飲用水、生活用水を提供するよう定められています。

また、日常的な清掃に加え、半年に一度の大掃除、害虫・害獣の駆除などの定期的な実施も不可欠です。

さらに、従業員が休憩できる場所の提供や、仮眠室は男女別にすること、立ち仕事で仕事中に座れる機会がある場合は椅子を設置するなど、多岐にわたって細かく定められています。

快適に働ける職場環境は作業効率にも直結します。

従業員の健康管理や企業利益を考えるうえでも、積極的に居心地のよい空間づくりに努めましょう。



まとめ

従業員が長い時間を過ごすオフィスを快適な環境に整えることは企業の義務ともいえます。

快適な環境の条件としては、ゆとりのある空間やきれいな空気、適切な温度・照明、騒音防止や清潔さが挙げられます。

よりよい労働環境を確保するためには、これらを一定の基準以上に保つことが重要です。

労働安全衛生法では、オフィス環境基準が細かく定められていますが、オフィスが快適かは企業によって異なります。

自社のオフィスがしっかりと基準を満たせているかどうか、一度見直してみてはいかがでしょうか。

ただし、これらの基準はあくまで最低限の目安です。

働く環境が従業員に与える影響を考えると、より快適で効果的な刺激をもたらす空間を構築することが望ましいといえます。

健全なオフィス環境整備のためには、まず現在の状況を把握して、課題に向き合うことが大切です。オフィスを快適な場所にするためには、課題に対してどのようなアプローチが適しているのか、いま一度考えてみることから始めてみましょう。

定められた基準を守りつつ、さらに快適なオフィス環境をつくるには、あらゆる角度から適したオフィス環境をプランニングしてくれるサービスを活用するという方法もあります。

さまざまな視点からの分析によって、自社だけでは気づけなかった問題や改善点に気づくこともできるでしょう。

自社のオフィス環境整備にお悩みの方は、プランニングサービスの活用も視野に入れ、どのようなオフィスが快適なのか、あらためて考えてみてはいかがでしょうか。

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