Event

セミナー冒頭では近年の驚異的なテクノロジーの進化についてご解説いただきました。「パソコンやインターネットが登場して以降、変化のスピードが加速している世の中で生き残るためには、変化対応力が求められる」とのお話がありました。

続いて「AI」の歴史や種類などについてご解説いただきました。

AIは近年特に注目を集めていますが、遡ってみると1950年代から開発が始まっています。時代の流れに沿って、ブームを繰り返し、現在は「第三次人工知能ブーム」を迎えています。

新しい能力の中で、最も注目されているのがディープラーニングで、AIが自ら学習していく能力を持ったことが世の中に大きなインパクトを与えました。

人工知能には2つの種類があり、汎用型人工知能（強いAI）と特化型人工知能（弱いAI）に分かれます。
前者は、人間のように振る舞い、行動し、考えることのできる機械で、こちらはまだ世の中に存在していないそうです。
後者は特定の分野に関して人間が行っている作業や業務を自動化する機能で、囲碁ＡＩや画像認識ＡＩなど、開発が進んでいます。

特化型人工知能（弱いAI）にはRPA、マッチング、パーソナルアシスタント、レコメンド、予測・データ分析など、様々な種類が存在し、得意不得意分野もあるため、どのように活用していくのかが肝心です。

またAIやロボットの登場によって代替される仕事も多く存在し、何もしなければ市場喪失、仕事の量が減り、多くの仕事が低賃金化する可能性があります。

しかしAIやロボットを開発して新たなビジネストレンドを創出したり、またその能力を積極的に知り、AIやロボット等を使ってともに働く仕事や住み分けた仕事を人間が担ったりしていくことで、新たな雇用が生まれると考えられています。

セミナーの後半では、犯罪予測AIやX-Road、感情分析AI、翻訳AI、デザイン生成AIなど様々なAIの活用事例についてご紹介いただきました。

文祥堂：　AIと心を通わせることはできるのでしょうか？

柏村様：　AIには心はありませんが、AIは人が求めている回答を学習することができるので、心を通わせられる気にはなると思います。

文祥堂：　銀行ではAIの導入で早期退職者を募っていますが、かなりAIの活用が進んでいるということでしょうか。

柏村様：　進んでいると思います。RPAなど今まで手作業だったものが自動化されたり、与信などのスコアリングもAIで出来たりします。またお客様とのやり取りもパーソナルアシスタントが対応したり、資産運用の提案などもAIがレコメンドしたりすることができます。

文祥堂：　業種・業界によってAIとの相性の良し悪しはあるのでしょうか。

柏村様：　あります。人間にしかできないことは当分代替されません。例えば、クリエイティブ、ホスピタリティ、マネジメントなどです。

文祥堂：　AIは過去何回か話題になっては「思ったより凄くないな」という感じだったと思いますが、今回のAIブームは何がすごいのでしょうか？

柏村様：　ディープラーニングです。これは人間が手を加えなくてもコンピューターが自動的に大量のデータからそのデータの特徴を発見することができる技術です。画像認識、音声認識、自然言語処理、異常検知などの分野に広がっています。

文祥堂：　たとえば総務の仕事はAIによって奪われそうなイメージなのですが、どんな職種であればこの先、生き残ると思いますか？

柏村様：　総務かどうかは関係なく、すべての職種に関わることだと思いますが、先ほどと同様、人間にしかできないこと、クリエイティブ、ホスピタリティ、マネジメントは人間に残っていきます。