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※本講演は終了いたしました

キャッシュレスがもたらす働き方改革

現金を使わずに決済を行うキャッシュレスの活用が進んでいます。
キャッシュレスは私たちにどのような変化をもたらしているでしょうか?
この講演では、キャッシュレスを活用したビジネスや最新動向、またどのように活用すればよいか分かりやすくご紹介します。

<セミナーレポート>

キャッシュレス決済の現状や、今後の社会や産業・働き方に与える影響について学べるセミナー

講師はテクノロジー、DX、イノベーションのスペシャリストで、第一生命経済研究所の主席研究員である柏村祐さん。
21年4月からは、国立大学法人九州大学グローバルイノベーションセンター客員教授も務められています。
今回は、近年注目を集める「キャッシュレス決済」が、社会や産業、働き方に与える影響などを、具体的な事例や動画を用いてご解説いただきました。


セミナー冒頭では近年の驚異的なテクノロジーの進化についてご解説いただきました。
パソコンやインターネットが登場して以降、変化のスピードが加速している世の中で生き残るためには、変化対応力が求められるとのお話がありました。
続いて本題であるキャッシュレス決済の基本についてご解説いただきました。キャッシュレス決済には「カード決済」「スマホ決済」「電子マネー」という種類があり、支払い手段も「プリペイド」「リアルタイムペイ」「ポストペイ」など様々で人によって活用の度合いはそれぞれです。しかし全体としてキャッシュレス支払額と民間の最終消費支出に占める比率は年々増加しており、今後も普及していくと考えられます。
また、さらにキャッシュレス決済の普及を後押ししていく要因になるのが「通信移動システムの進化」です。
現在普及が進んでいる5Gの「超高速」「多数同時接続」「超低遅延」という特徴によって、IoTの活用がさらに進んでいくことが考えられます。

それによってキャッシュレス決済の主戦場である小売り分野では大きな改革が起こります。
電子決済や多数接続・低消費電力等に対応したセンサーの普及で、支払いの無人化・高度なシステムによる在庫管理など新しい買い物の体験が実現します。

さらにそこに関わる人たちの働き方も変化します。
このような5G・IoT・AI・VR等のテクノロジーの進化は少子高齢化・地方の過疎化・経済的地位の低下など現代社会が抱える課題を解決する大きなカギとなります。

サイバー空間とフィジカル(現実)空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会「society5.0」の実現を政府は目指しています。

これまでの情報社会(4.0)では情報収集や分析、操作は人間が行っていましたが、「society5.0」ではフィジカル空間からセンサーとIoTを通じてあらゆる情報が集積(ビッグデータ)され、人工知能(AI)がそれを解析し、人間に高付加価値な情報提供や提案、機器への指示などを行うことができるようになると予想されます。

そのような先端技術を、あらゆる産業や社会生活に取り入れ、格差なく多様なニーズにきめ細かに対応したモノやサービスを提供することで、経済発展と社会課題の解決を両立できると考えられています。

セミナーの後半では、キャッシュレス決済が急速に普及している中国での事例をはじめとして、様々な事例をご紹介いただきました。

中国で一気に普及した背景として「リープフロッグ現象」が挙げられます。
社会インフラが十分でない新興国において、新しいサービス等が先進国を飛び越えて一気に広まる現象のことです。
それを踏まえて中国の無人レストランなどの事例や、キャッシュレス決済に関わる様々な事例をご紹介いただきました。

(信用スコア / 現金支払いの社会コスト、労働生産性 / キャッシュバック・ポイント還元・二重価格 / カードの手数料、コスト、収益構造 / QRコード / キャッシュレス決済の便利な活用(税金支払い等・家計簿) / キャッシュレス社会への期待と不安)
<質疑応答より>
文祥堂: ここ数年、キャッシュレス決済が話題になったのはなぜでしょうか?

柏村様:
 ○○ペイなど、各種サービスが登場し、宣伝などもあって認知度が高まったのだと思います。

文祥堂: キャッシュレスの普及で経理業務が格段に楽になると聞きましたが、導入にあたって顧客や仕入先との間で留意するポイントはありますか?

柏村様:
 それぞれの企業によって活用度が異なるので、しっかりとコミュニケーションをとって確認を行うことが大切です。

文祥堂: 色々なところでクレジットカードや口座などと連携を行っていますが、把握しきれないところで不正が起こっていないか心配です。

柏村様:
 ポイントは3つあります。信頼できる会社かどうか、セキュリティがしっかりしているか、その他家計簿アプリ等で引き落とし等が適正かどうかを自ら確認することが大切です。また不正が発生した際の対応や保証などもしっかりしているところが良いですね。
文祥堂: キャッシュレス決済で発生する手数料等の負担は、店舗側が受け入れるしかないのでしょうか。

柏村様:
 現状に即して支払うしかありません。ただ、競争が激しい中で各サービス提供会社は自社製品を選んでもらうために顧客に有利な提案をしているので、常にアンテナをはり、情報収集を日ごろ行うと良いでしょう。

文祥堂: この先、現金が無くなることはあるのでしょうか?またブロックチェーンとつながれば、銀行が無くなる可能性はあるのでしょうか?

柏村様:
 例えば中国では政府がデジタル人民元などを普及させようとしており、カンボジアでもデジタル通貨が流通しています。これはリープフロッグ現象によるもの。銀行には他にも役割があるのでなくなるということはありませんが、役割は変わっていく可能性があります。

今回はキャッシュレス決済の基本と、現在の普及度合いやトレンド、さらには今後の新しい社会society5.0についての概要についても理解することができ、新しい社会像が見えてきました。
今後も文祥堂では定期的に働き方やオフィスに関わる最新情報を発信していきます。
次回のウェビナーにもぜひご期待ください!

セミナー概要

開催日時

2021年 7月16日(金)16時~17時

 

講師 柏村 祐 氏
第一生命経済研究所主席研究員・九州大学客員教授

プログラム

  • 16:00 - 16:30 講演:キャッシュレスがもたらす働き方改革
  • 16:30 - 16:40 質疑応答
  • 16:40 - 16:45 文祥堂紹介
  • 16:45     終了

開催方法

ウェビナー(Webセミナー)にて開催

配信ツール:zoom

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